2017年8月11日金曜日

「山の日」という非日常に思う


 今日は「山の日」。去年から祝日になった。だから私は、お休み。若い人たちの邪魔をしたくない。国の施策に踊らされたくもない。加えてこれ以上、非日常を増やしたくない。海の日もあるから山の日もというのなら、空の日も水の日も設けなくてはならない。つまり、天然自然に思いをはせその恵みに感謝するのなら、というほどの意味で私はそう考える。もちろん山の日を設けた方は、お盆とつなげて皆さんが遊びに出ることを奨励し、少しでも景気浮揚に貢献したいという「ねらい」であろうから、自然への感謝も何もあったものじゃない。幸いにも今日は朝から低い雲がかかり、涼しい。昨日までの暑さがちょっと治まって、家でゴロゴロしているのにちょうど良い。静かな日常が戻って来たみたいだ。

2017年8月10日木曜日

スウィングする苦悩


 ドロシー・ベイカー『Young Man with a Horn――あるジャズエイジの伝説』(諸岡敏行訳、青土社、2001年)を手に取った。図書館の「新着図書」の棚にあった小説。後で発行年を知って、どうしてこんなに年数を経て? と思ったもの。しかも、初版本だ。原作は1938年に発行されている。

2017年8月9日水曜日

山歩きのQ&A


Q:薬師岳の山行、「75歳以降の私の山歩きの目安になる」と言ってたけど、どうだった?
A:行ってよかった。2013年の飯豊山のときに較べたら、間違いなく力が落ちている。飯豊山のときは3泊4日、約20kgの荷物で、アプローチを除くと、一日目10時間半、二日目8時間半、三日目7時間半を歩いた。下山したときは、オールアウトの状態。ほぼ力を使い尽くしたって感じ。麓の元旅館の風呂場を借りて汗を流させてもらい、冷たい水をごちそうになってやっと息を吹き返したって……。思い出しましたよ。だけど今回は、一日目4時間の散策、二日目5時間、三日目5時間、四日目6時間、五日目2時間半と日にちは多かったけど、一日の行程は飯豊の時の半分くらい。力を使って歩いているって感じはまったくなかった。行程の配分がうまくいったのかな。荷物も多いときで13kgと軽かった。上るときも下るときも、足を出せばうまい具合にそこに置き場があるっていうか、ほとんど意識することなく歩一歩とすすみましたね。そうだ、これからは、こういうペースで歩けばいいんだって思いましたよ。たしかに「目安」になりましたね。

2017年8月8日火曜日

わたしが世界からの手紙なのだから


 テレンス・デイヴィス監督『静かなる情熱――エミリ・ディキンスン』(イギリス・ベルギー、2016年)を観る。欧米各地の映画祭のオフィシャル・セレクションを受け、グランプリ賞ももらっているという。だが正直なところ、これらの映画祭の選考者がどのような現代的感覚をもって、この作品を選んだのか、わからない。お前がバカだからだと言われるなら、それを受け容れたいが、ぜひともどなたか、なぜバカなのかを教えてもらいたい。

2017年8月7日月曜日

変化に富む薬師岳の縦走ルート(3)マイペースで歩く心地よさ


 薬師岳の山頂で30分近くも過ごし、下山にかかる。少し進むと岩室がある。最初、これが山頂かと思っていた。「ニセ薬師」と若い二人連れは言う。彼女たちは太郎平の方からも来たことがあるらしい。そのときに山頂だと思ってがっかりしたんだよねと笑っている。彼女たちに先行してもらう。下りは砂地の斜面。富士山の砂走りより少し大きい瓦礫がつづく。バランスの良い若い人は、さかさかと降ってゆく。雲は3000m辺りを覆い、その下の山々はくっきりと見える。薬師岳山荘2071mで先行した二人は休んでいた。32分できている。私は構わず先行する。やがて瓦礫の道はハイマツ帯になる。と、5mほど道の先にライチョウがいる。これで3日間連続でライチョウに出逢った。カメラを出して撮影する。ライチョウは砂浴びでもしていたのだろうか。足元の土が少し掘られて色が変わっている。どうしたものか思案しているように立ち止まったまま。私も動きを止める。と、うしろから件の若い女たちがやってくる。ライチョウがいると声を出さずに言うと、伝わったらしく、先頭の彼女は後ろのカメラウーマンに何かを言う。二人がそうっと近づいてくる。

2017年8月6日日曜日

変化に富む薬師岳の縦走ルート(2)稜線の眺望と面白いアップダウン


 2日目に宿泊した五色ヶ原山荘の部屋は6畳間に4人。シーズン中の山小屋としては割とゆったりした方であった。一人は還暦前の大阪の方。ロッジくろよんから7時間半ほどかけて登ってきた。この地域のいろんなルートを歩き回っているようで、立山の方へ抜け、剣山や大日岳を経めぐって4日に下山する予定という。話す口調は軽々としているが、なかなか深い奥行きを感じさせる。雨に降られて全身ぐっしょり。幸い山荘には乾燥室もあって着替えた衣服は早い段階で乾かすことができた。あとの二人連れは、川崎のアラカンと大阪のアラフィフ。アラカンの方が山慣れた先輩で、アラフィフの方は、装備服装は今風のヤマボーイという感じに若作り。私と同じ室堂からのルートをとって、同じ行程を歩く予定。そのため、最後まで山小屋が同じだが、歩き方にも違いが出て、それなりに面白いことに気づかされた。また部屋は別だったが、登り口の室堂で私に話しかけてきた60代半ばの二人連れに「早かったですね。黄色いザックカバーが後ろからよく見えましたよ」と声をかけられ、最終日まで同じコースを歩くのだとわかった。

2017年8月5日土曜日

変化に富む薬師岳の縦走ルート(1)北アルプス深奥部に入る


 五日間の山旅を終えて無事に帰ってきた。薬師岳を訪ねる今回のルートは、岩と雪渓とお花畑に彩られた変化に富む、北アルプスの奥深さを満喫させるルートであった。経路を紹介しておこう。

1日目……立山の弥陀ヶ原や室堂を周遊し、天狗平山荘に宿泊する。
2日目……室堂から浄土山を経て龍王岳、鬼岳、獅子岳、ザラ峠を通り五色ヶ原山荘まで。
3日目……五色ヶ原から鳶山、越中沢岳、スゴの頭を経てスゴ乗越小屋に泊まる。
4日目……スゴ小屋から間山、北薬師岳、薬師岳を越えて、薬師岳山荘、薬師峠を経て太郎平小屋。
5日目……太郎平小屋から折立へ下る。