木がこんもりと生い茂った高台の上から見下ろすと、ぽっかりと海に浮かぶ島々がくっきりと見える。その彩りは、海の青、空の蒼と詠うのをなぞるように鮮明で、樹木に覆われた濃い翠の島々もまた砂浜の白さに際だって浮かび上がる。
背の方を振り返ると、なんと、空に島々が浮かんでいる。いや、空に映って、逆さ様にみえている。そうか、静かな湖に映る山々のように、風のない時の空には、こうして下界が映るのだと、初めての体験に心が震えている。あっ、この島には見覚えがあると、一つを見て感じている。屋久島だ。どうしてここから、南の屋久島が見えるのかと、心の片隅に思いながら、でも間違いなく屋久島が美しく見えて、ため息が漏れる。
傍らの誰かが、私と同じようにため息をつくのを耳にして、これが夢なんだと思いつつ、また深い眠りに入っていった。昨夜の夢。これほど鮮明に記憶に残っている。
何だろう、この世界は。
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