2018年2月14日水曜日
青空、暖かい奥日光
来週の下見に、奥日光へ行ってきた。赤沼8:40、8人ほどの若い人たちが、クロスカントリースキーを装着して、歩きはじめようとしている。ここから小田代ヶ原に行き泉門池へまわり、光徳へ向かうという。3、4時間のコースだ。気温はマイナス1度。陽ざしが差していて、奥日光としては暖かい。雪は多く、締まっている。小田代ヶ原へ行く道はよく踏まれていて、スノーシューなどいらない。クロスカントリーの人たちは、ミズナラの林の降り積もったままで、誰も歩いていない雪の上をたどるに違いない。壺足で歩いてみたが、ずぼずぼと沈まない。陽ざしを受けて溶け、寒さに凍っている。
バスの到着時刻を確認して、湯滝へまわる。湯滝の駐車場への道も、踏み固められている。「チェーンのない車は進入禁止」と赤色で大書してある。何年か前、福井の方からやってきた車の男性が、駐車場に入りはしたが、出られないでJAFを呼んでいたことがあった。駐車場から国道へ出る坂道を上ることができなかったのだ。私の車は、四輪駆動(もちろんスタッドレスタイヤ)だから難なくクリアした。駐車場には、一台も止まっていない。降りて、年末に湯滝の脇を上る道に掲げられていた「注意書き」を読みに行った。年末にここを登ったとき、先行者の姿が見えたから、読みもせずに通過した。その道を湯滝上へ抜ける5メートル手前で、道路から除雪された雪が大量に道を塞ぎ、通過するのにちょっとひやりとする場面があった。なんて書いてあったのかと確かめに行ったのだが、なぜか、今日は、その看板が取り払われ、「クマ出没注意」の看板だけになっていた。
落下する湯滝の正面にテラスがあり、そこから森へと入る木の階段がしつらえられている。その入口に、「老朽化した青木橋架け替えのため通行できません」と書いてある。青木橋が通れないと、戦場ヶ原に踏み込むことができない。私たちのルートは小田代ヶ原を回って来るから不都合はないが、冬の間に架け替え工事などを行っているんだ。ご苦労なことだ。
湯滝脇の道を上へあがれない時には、バス停の「湯滝入口」まで歩いて、そこからバスで湯元に行ってもらう。そのバスの時刻も調べておかなくちゃならない。また、そこから私は、スノーシューを運んだ車を取りに戻る。そのバス時刻も必要だ。「湯滝入口」でバスを待っているご婦人が一人居た。やはり、あるいて湯滝を見に来る人もいるんだ。
国道の湯滝上で車を止め、軽アイゼンとピッケルをもって、脇道の登り口から下をのぞく。スノーシューで歩けるように、雪をピッケルで整備して、通路をつくっておこうと思ったのだ。だがなんと、脇道の雪は年末の日ではない。除雪された雪が道路の高さまっで積み上がっている。雪を整備するどころか、この雪の山を登っていると、国道に出てしまうほど。当然、傾斜はきつく、スノーシューで上るというよりは、アイゼンを使って登攀するようになる。これは、他人様を案内できない。そう見極めたから、すぐに「湯滝入口」までと決めた。
宿泊予定の休暇村のフロントへ行き、東武バスの割引乗車券を購入するときの「証明書」をもらおうとした。フロントは「東武バスには代表者の名前を知らせてあるから、その方の名前を言ってくれれば、購入できます」という。去年それで買おうとしたら「何か証明するものを見せてくれ」と言われ、私が渡していた「予約確認書」のコピーを見せて凌いだと聞いたからだ。「証明書」は要らないとフロントは言う。東武バスはまた「証明書」というだろう。またコピーをもっていくしかなさそうだ。
車を奥日光の駐車場において、蓼の湖から小峠への雪の様子を確かめに行く。スノーシューと軽アイゼンの両方を用意してある。だが、湯元から上に上がるコースに踏み跡がない。もう何日も人が入っていないみたいだ。それとも、昨晩、踏み跡を消してしまうほど降ったのだろうか。スノーシューを装着して、登る。年末に大量に降った雪も夏道をwあから失くするほどではなかった。だが今日は、かぶさるように山の斜面の雪が降り積もり、夏道にかぶさっている。こういう雪を踏むのが面白い。金精道路に出る。ガードレールはすっかり隠れるほどに雪が積もっている。蓼の湖への下降路をたどる。空色のリボンがつけられている。ここに夏道はないから、冬用にガイドリボンだ。まあ丁寧に、たくさんつけられている。これじゃ迷いそうにない。急斜面を滑り落ちないようにスノーシューのエッジを利かせてくだる。それでも、ずるずると体が落ちる。バランスをとっていると、スキーをしているような気分だ。いったん平地に降り立ち、また蓼の湖を隔てる小さな尾根を越えて、湖に降り立つ。
「氷上に降りること禁止」と書かれた警告板がしつらえられている。湖の八割方は氷が張り、その上に雪が降り積もって真っ白。氷が薄いかどうかは見ただけではわからない。昨日、一昨日は五月連休の気温だったというから、氷が解けて薄くなっていることは考えられる。湖の周りをぐるりと回る。
対岸に渡り切った辺りから、森の奥へと空色のリボンがつづく。谷に沿うかに見せて、着実に高度を稼ごうと斜面を上る。木の枝が邪魔になるところを、ていねいに避けながら、空色リボンがガイドする。壺足だと吹き溜まりの雪には難儀するだろうと思う。軽アイゼンでもあれば雪の下の方は凍りついているから、案外楽に上がれるかもしれない。
小峠に着く手前の、夏道への分岐がやはり雪に覆われてわかりにくい。年末のときには、林道を3時間歩いてくたびれたカミサンがいたから、だが、蓼の湖へ下らず、夏道を歩いた。すでに二人の人が往復した踏み跡があったから、金精道路まで30分ほどであった。踏み跡がないとなると、ちょっと面倒だなと思ったが、お昼を済ませてから考えることにした。
風はない。雪を踏んだのは私だけ。ビニールシートを敷き、その上に保冷用の銀色の袋を座布団代わりに敷いて、お昼を始める。といってもまだ、10時半だ。今日はサンドイッチと野菜ジュース。インスタントラーメンももってきているが、まだこれを食べるには早い。コガラが二羽、飛び回る。コゲラも一羽、幹をたどって虫をつついている。陽ざしがさんさんと降り注ぐ。来週歩いてくる林道は、雪がたっぷりと盛り上がっている。ここを歩いて帰ってもいいが、せっかく誰も歩いた形跡がないコース。私の踏み跡で荒らすのはもったいないと考えて、夏道を戻ることにする。
分岐はなんとなくわかる。だが、上部から雪が滑り落ちてくる急斜面をトラバースする夏道は、すっかり雪に覆われているから、ほぼこの方向と見当をつけて、スノーシューの山側のエッジを利かせて交互に足を運ぶ。だが、エッジが食い込まないで、凍りついた雪の上をずるりと滑る。もう片方の脚も、山側のエッジを利かせて膝を山の方へ傾けて止める。ところどころ止まらないで、身体がずるずると渓の方へ滑り落ちる。こうしたトラバースをくり返していて気が付くと、雪の下の夏道らしきものが下の方に平坦に走っているのが目にとまる。急斜面を10メートルほど、下降する。
こうしたトラバースを50分近く繰り返して、金精道路の、蓼の湖への分岐に出た。一人の欧米顔の若者が「案内表示板」をみている。英語で「刈込湖は遠いですか?」と聞く。私は驚いて時計を見る。11時35分だ。足元を見る。壺足だ。「時間がかかる。途中の小峠まで行ってくるなら、2時間半くらいだ」と説明する。「どちらへ行けばいいか」と聞くから、ブルーリボンを辿れと説明する。そして、私がいまきた夏道は通らないほうが良いと付け加えた。
金精道路から湯元の泉源へ下るところで、スノーシューを履いた60年配の方とすれ違う。彼は「蓼の湖へ行きたいのだが、スノーシューは初めてなので」と話す。踏み跡がついているから、道路の上で、左へ行けという。蓼の湖の往復くらいなら、はじめての人でも2時間はかからないだろう。
また下から、夫婦者らしい一組が上ってくる。壺足だ。蓼の湖と小峠へ行くという。トレイルはついているが、帰ってくるとき、夏道は軽アイゼンでもないとムツカシイというと、ザックの横を見せて、アイゼンを持っていることを示す。いってらっしゃい、という。
けっこうたくさんの人が入山しているのだ。私は早かったのか。こうして下見は終わった。さかさかと車を走らせて帰宅したのは3時前。こうして書いている。
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