2020年2月28日金曜日
小集団で暮らせと「天の啓示」か
「全国の学校を一斉に休校にするよう要請します」と首相が発表して、世の中を騒がせている。メモを読む記者会見も、なんだか上の空に見える。どうしたんだろう。午前中の予算委員会で立件民主党の枝野党首の質問の舌鋒が鋭かったと、どこかのジャーナリストが書き記していた。厚生労働省ばかりに取り組みを任せていいのか、国土交通関係や産業関係、文科省関係で何にどう対処しているかを問いただした後、首相と官房長官は「指示をした」というかたちだけでなく、何にどう取り組んでいるかに踏み込んだら、中身に何もなかったという様子だったらしい。
そうして、夕方突然の「全国一斉休校」ときた。まるで桜を観る会を追及されたらすぐに「来年は止めます」といったのと同じ。反射反応だ。
「全国一律」といっても、そもそもまだ、17都道府県でしか発症者がいない。
これまでの広がり具合を新聞発表で見てみると、2/13日(感染者20人)から急増している。17日(40人超)、19日(60人)、21日(81人)、22日(100人超)、24日(130人)と増え、25日で136人の感染者という。しかも、多いのは、北海道(30人)、東京都(23人)、愛知県(18人)、神奈川県(15人)、和歌山県(11人)、千葉県(7人)で、あとの11府県は1~5人。
どうして「全国一斉休校なんだろう」と思う。首相の、羹に懲りて膾を吹く姿は、滑稽だ。
それでも「一斉休校」が必要だとしたら、なぜそうするのか、広がり具合がどうなっているのか、今後どうなると見込んでいるか、を説明して、各都道府県と市町村教育委員会が判断してくださいというのが、「教育の自律」からして妥当なのではないか。いかにも中央に集中した集権政治が実態とでも言わんばかりの振る舞いである。
でも率直な感想を言うと、小中学校なんかは、状況をみて休校措置を取ればいいんじゃないかと、私などは思う。もちろん私はただの市井人だから、経験則的な判断。だから、それでは対応できないというワケを、説明してもらいたいのだ。
むしろ学校の子どもたちより、朝の通勤ラッシュや夕方の帰宅ラッシュの電車やバスに乗るのは、心配である。だからことによったら、高校生などは休校措置の方が適当もしれないと思わないでもない。まして、仕事で休めない電車やバスを使う通勤客こそ、どうしたらいいか教えてもらいたいと、思っているんじゃないだろうか。
もうひとつ、首相というか、文科省というか、政府の要人が見落としていることがある。
学校を休校にすると、生徒たちはどこへ行くか。まさか、自宅でじっとしていると思っているんじゃないだろうね。
よほど環境が潤沢で家族が家にいる子どもたちは、「自宅待機」的に家で暮らすか、家族連れで新型コロナにかかわりのない遠方へ(自家用車で)旅に出て、のんびり過ごすかもしれない。だが大半は、それほど余裕はない。共稼ぎが小学校低学年以下の子どもを抱えているときは、学童保育もなくなるから、どうしようかと思案するに違いない。実家の祖父母が手伝いに来てくれるところは、まだいい。
そうでない家庭や、小学校高学年以上の子どもたちは、お昼を用意して貰って、夕方父母が帰ってくるまで一人か兄弟姉妹で過ごすことになる。その子たちが、ひと月もの間、「自宅待機」的にじっとしているわけがない。
3,4割の子どもたちは、外へ遊びに出ると私はみている。
都会の子どもたちは、繁華街へ出向く。人の屯するところに寄り集まって、それぞれの好みにしたがって遊ぶ。なかには公園とか、図書館とか、博物館とかへ行く子もいるだろう。でもそれら、不特定多数の集まるところの賑やかなところの方が、学校など、地域の顔見知りの子どもたちといるより、ずうっと新型コロナ感染が心配なんじゃないか。私は、そう感じる。
WHOも、この新型コロナが世界的な広がりを見せる「パンデミック」と認定する時機を見計らっているようだ。だが、なんともそれがまだるっこしい。なにか(別のこと)に政治的に配慮しているのかと、疑わせたりする。ヒト・モノ・カネのグローバルな移動が、この流行を後押ししていることは間違いがない。取り組みの戸惑いが見えるのも、この自在な移動がもたらしている経済的な繁栄を止めたくないからというのも、わからないではない。
また、そうした関係が(かつてのパンデミックのときと)異なっているから、政府もどう取り組んでいいか、戸惑っているのかもしれない。ま、それならそれで仕方がない。せめて、進行している事態を逐一子細に公にして、「かんけい方面」が自ら判断して「対処」できるように(邪魔しないで)やって惜しいと思う。
ま、私としては、自分のからだをできるだけ健康に保って、感染しても、新型コロナに負けないようにしておく。これしかない。
つねづね「雑菌世代」と自称している。戦中生まれ戦後育ちの私にとっては、ウィルスは怖くない。獅子身中の虫として共存もしている。何しろ戦後、DDTを頭から吹き掛けられてなお、喜寿の年まで生き延びてきた身だ。
ちょっとやそっとで負けないし、たとえ負けても、ここまでくれば、それくらいの不運を引き受けなくては、神様に申し訳ないとも思っている。
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