2018年1月15日月曜日
前半で下見は完了
高気圧が全国を覆うとの予報に、来週の山の下見に出かけた。じつはこの山の下見は、7月にやっている。古峯神社からの踏路を歩くのは初めてだったから、ルート確認のつもりであった。そのときは、地蔵岳まで上り、ハガタテに引き返してそこから、稜線をたどって古峰ヶ原の入口まで行き、古峯神社への沢沿いの下山路をとった。途中、行者岳から下るルートへ踏み込んではみたものの、廃道になっているのか、踏み跡がわからない。頼みのGPSも電池切れで作動せず、そのせいもあって、ルートを間違え、1時間ばかり引き返す失態を演じた。
今回の下見は、したがってルートを確かめるためではなく、積雪の状態をみるためであった。去年の暮れ、奥日光に大量の積雪があった。戦場ヶ原も湯元も、スノーシューをつけても膝まで埋まるラッセルを強いられ、それはそれで楽しかったのだが、今回の地蔵岳にスノーシューは用意していない。「念のため軽アイゼンをご用意ください」と知らせてはいるが、ササの生い茂った斜面の深い雪ではアイゼンは役に立たない。直登ならまだしも、トラバースもあるから、どの程度の積雪か見ておこうと出かけたわけだ。むろん、一人。カミサンは「絶対無理はしなさんな」と念を押す。
車を降りて、身を整える。雨着のオーバーズボンを履き、スパッツをつける。ストックも手にもって歩きはじめる。だが、汗ばむほど天気が良い。雲一つない。7月のときは、樹林の中を歩いたお蔭で陽ざしを受けずに済んだ。今度は、葉が落ちた広葉樹とスギの木立。静かな林道歩きからはじまる。でも、こんなに林道が長かったっけと、途中で記憶をたどるが、思い出せない。家に帰って読み返してみると、「30分ほど歩いたところで林道は終わる」とある。だがもう一時間近く林道を歩いている。
林道には、「伐倒作業中」と大きな看板を掲げ、プレハブの作業員小屋がある。おおよそ3メートルの長さに切りそろえられた杉の木が何百本と積み上げられ、その木の山が林道わきのあちらこちらに置かれている。すぐ上に、大きな伐採に使う重機がエンジンをかけたまんま、駐まっている。運転手はいない。プレハブに入って休んでいるのかもしれない。TVの伐採現場で見る重機で、木を挟みこんで伐り、適当な長さに伐りながら次々と枝を落としていくという優れモノだ。
つまりキャタピラ付きの重機が縦横無尽に木を伐りながら林道を押し広げ、脇道をつくり、凸凹にしてしまっている。まいったなあというか、こんな登山道を通って、往復4時間半のルートのうち、上り下りに2時間も歩かせるのは、どう考えても面白くない。私は1時間半上ったところで、上へあがるのを中止し、ひきかえした。下見は十分だ。上に上がって雪があるかどうかは、この際、どうでもよい。このルートは、伐採作業によって台無しにされてしまった、とみた。
雪の状態は、じつは、まったく困るような気配がなかった。ちょうど地蔵岳の登山道が南面になっているから、標高1000mほどのところまで登ったが、雪はついていない。ただ気温は低いらしく、沢の滝は全面が凍りつき、底の方にちょろちょろと水音がするくらい。土も凍りついて、凸凹でカリカリになっていた。来週の山行は、場所を変えて実施ということになろう。
ま、そんなわけで今日は、往復2時間半ほど歩いて帰ってきた。登山口の古峯神社は、冬の平日というのに、参拝者がいる。マイクロバスを仕立ててやってきている方々もいる。拝殿に上る石段の脇には、「古峯講」とか「木遣組合」と掘った大きな石柱が何本も建てられている。茅葺の屋根ではあるが、細い丸太を組み合わせて神社風にしているのが、けなげな感じだ。ちょいと立ち寄って、信仰心もないのに、拝殿に二礼二拍手一礼してきた。
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