2018年1月23日火曜日

雪、降り積もる


 雪深い福島県の新野地温泉から帰ってきた翌日、つまり昨日(1/22)、午前11時にはもう降りはじめていた。小さな雪片がちらちらと落ちてくる。積もりそうな気配。お昼になって庭を覗くと、土がうっすらと白くなっている。


 昼食を済ませて映画を観る。『さらば冬のかもめ』(原題: The Last Detail)。こんなにデリケートに心裡を描きとるアメリカ映画があったんだと感心したら、なんと、1973年の制作。そうか、そんな時代だったんだと45年前を振り返る。私だって32歳だったんだと。その頃私は、それほど繊細ではなかった。

 3時前に外を覗くと、庭もヒバの葉の上も真っ白。駐車場の車の屋根にもはっきりと積もった雪が見てとれる。玄関を出て、外の通路をみるともう、かなり積もっている。雪かきをしておかないと、降り積もり固まってからでは面倒だ。4年程前に買った雪かき用のスコップを取り出し、さかさかと内の周りの歩道の雪を取り払う。人が一人歩けるほどの幅を救ってはわきに除ける。まだ柔らかいから、負担にならないが、残った具合をみると、もう10センチは積もっていたろうか。車道面はすっかり厚く覆われている。5時前に外を見ると、また、3時ころと同じぐらい積もっている。また雪かきをする。ひっそりと静まっているのが心地よい。

 夕食にそばを打ち、てんぷらを揚げた。しばらく休んで7時過ぎに外を見ると、さらにまた、積もっている。雪山用の帽子をかぶり、雨着を着て、また雪かきをする。何度も掻いているからさほどの手間がかからない。帰宅する人が「ごくろうさん」と言って通る。車道との境目にはもう50センチを超える雪が積もっている。

 今朝になり、薄暗い外を見ると、どっしりと積もった雪が車の屋根も立木も、道路も覆って白一色に染め、別の世界を見せているようだ。明るくなってスマホで写真を撮り、関西に住む娘に送る。「さむそう。外に出られないですね」と返信がある。そうだ雪かきをしなくちゃと、外へ出る。やはり昨日掻きとったのと同じくらいの雪が積もっている。簡単に取り払い、今度は北側の風景をスマホに納め、岡山に住む兄に送る。どうだい、こんなに積もったんだぞって、威張っているみたい。この兄は、東京の駒込に一緒に住んでいたころ、大雪が降った朝カメラをもって六義園に行き(いま思えば、どうやって中に入ったのだろう)、雪景色を写真に撮ってご満悦であった。

 TVは大雪で混乱と騒いでいるが、私はうれしい。庭の木の葉の上にこんもりと降り積もり、その先の駐車場の車という車を隠している雪景色は、違う世界に誘われたようで、よし今日は、ちょっと違う世界を生きてみようかという気にさせる。
 
 もちろん、思うだけ。なにもない。でもぼんやりと雪を見ているのも、違う世界ではあるなあ。

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