今日(3/26)の天声人語は、お粗末。英語とロシア語の翻訳をする人工知能が「精神は尊い」を、「ウォッカはおいしい」と訳したことを糸口に、大阪市内地下鉄の自動翻訳の可笑しな間違いを取り上げる。そして「このニュース、どこかほっとする……。(人工知能が)いずれ人間の仕事を奪っていくのでは、ともささやかれる。おっちょこちょいの翻訳ソフトの頭をなでたくなる」ともっていく。
なんだこれは。AIのできの悪さを揶揄っているだけじゃないか。下手(したて)に出て、非難が返って来るのをあらかじめ封じておいて、そこに居直って(己の)優位性をしっかり確保している。世間話だって、もう少しユーモアを加えないと、IT初期・昭和時代のひと口話になる。まるで「遅れたっていいじゃないか、人間だもの」というあいだみつおをいう署名の入った色紙みたい。なんだこれは? ってもんだ。
なんだかホッとしている場合じゃないよ。ホッとするのは、AIと力比べをしていると思っているから、出てくる思い。そんなにフラットにAIと競っているわけじゃないと、近ごろのAI研究は、人間の適応・劣化を話題に載せているではないか。これじゃ、天声人語は天性人語ってもんだ。天然の次元で世の中を眺めている、私ら呆け老人の回顧語録になってしまう。
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