2017年12月18日月曜日
工業規格にしたがって壊れるのか?
しばらく前から便座の、おしり洗浄の調子が悪い。ノズルが出て来なかったり、ノズルは出ても水がちょろちょろとしか出なかったりした。説明書を読むと、水の通るところにあるカートリッジのゴミを取り除けとある。水の栓を止め、カートリッジを取り出して水洗いする。取り付けて作動させてみると、今度はノズルが出てこない。ノズルも、手順を踏んで取り出して拭いたりする。出るようにはなったが、水がでない。まあ出なければ出ないで使わなければ済むし、使うにしても山歩きのときのようにペットボトルで代用すれば不都合はないから、しばらく放っておいてから作動させればよいと思って、放置してきた。
そうして一月ほど置いて作動させてみたが、まるで動かない。これはだめだと思って、メーカーの「お客様相談室」に電話をする。丁寧に応対してくれはしたが、ひとつ、「リモート装置の電池交換をしましたか」と問われ、はて、変えたかどうか、覚えがうつろだと気づく。調べて交換をしていることがわかる。
検査の人が来ることになり、みてくれた。どうやって水を止めるか、どこをチェックして、どうやって直すのかみておこうと、後ろから覗き込む。ほぼ私の手順は間違いなかったことがわかるが、水を止める方法がまったく違った。彼はいったん外へ出て、水道の元栓を止めたのだ。なんだそれなら、便器の奥に得まいところにある水栓のねじを時計回りに絞りまわすやり方より簡単だ。だが、うまく作動しなかった。
「おしり洗浄の部品が壊れている可能性がありますね。ちょっとみてみます」
と断って、便座カバーを上へ持ちあげて外してしまう。さらにその台になっているところも、便座と一緒に持ちあげて外してしまった。なるほど、そうやってみると、「便器稲井にの装置」全体が露わになる。たくさんの色の違う配線が入り組まないように、でも束ねているわけではなく、あちらとこちら、そちらと向こうを結ぶように、大きく分けると二方向に走っている。その配線の間を縫うように螺子回しを差し込んで、ビスを外す。4本のビスを外して何かを触ってノズルを出そうとする。ノズルが出ない。もう一度触って操作すると、今度はノズルが出る。でも、水が出ない。二度試みてから、やっぱり部品の取り換えが必要ですという。
「部品交換の必要があります。それとですね、流す水の便器洗浄の水流に違和感があります。このままだと、装置の規定通りに洗浄がなされていない可能性があります。ちょっと見積もりを出しますから」
と言って、携帯用のノートパソコンを出し、画面をみながら部品の費用のチェックをする。そうして、おしり洗浄の部品交換に〇〇円、技術料として××円、検査・出張修理量として△△円、合計いくらになりますと、計算結果を知らせる。何と便器全体の四分の一ほどもかかる。でも仕方がない、それでやってくださいと応えると、さらに付け加えて、水流の違和感を補修する部品交換には、それよりも多くかかるとおっしゃる。とすると、その修復には、便器全体の経費の半分を優に超える費用が掛かる。
「いま一緒に部品交換しておくと、検査出張料金が一回で済みますが、いかがしますか」
と言葉は丁寧だが、交渉の余地があるような気配ではない。検査出張料金が5千円ほどということを考えると、「違和感」の方は、壊れるまで使ってからでも遅くはない。そうおもって、おしり洗浄だけの修理を頼んだ。
彼の説明だと、7年から10年経てば、こういうことが起こる。便器全体の交換も7年ほどが普通だという。いつ、この便器を取り付けたのだったかと気になり、あとで調べてみた。2010年の1月だった。つまり、7年と11カ月経っている。まるで工業規格にしたがって壊れているみたいだ。それ以上聞かなかったが、工業規格で、修理部品の取り置き期限が5年というプリンタの話しを一年前に聞いたばかりだ。便器のそれが7年とか10年であっても不思議ではない。
修理しながら大切に使うという考えかたが製造側にも定着しないと、使い捨ての文化は切り替われない。いつまでも、あなた任せで外注に回す暮らし方の文化では、自律なんてできないね。ためいきが出た。
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