2017年12月29日金曜日
吹雪く奥日光
奥日光、湯元に来ています。戦場ヶ原を抜けるあたりでは地吹雪であったものが、湯の湖畔に上ると雪になり、湯元の駐車場にたどり着いたときには、本格的な雪になっていた。風も強く、吹雪と言ってもよい。これは奥日光の気象条件を、よく現している。奥日光には梅雨がない、と言われる。太平洋側の吹き付ける低気圧は、いろは坂や霧降高原の千メートル級の山によって遮られ、いろは坂の上の中禅寺湖などには梅雨の手が及ばない。冬ともなると、中禅寺湖より標高で200m高い湯本は、日本海側の気象条件の影響を強く受ける。豪雪地帯と言われる尾瀬と奥日光は背中合わせなのだ。
そういうわけで、奥日光はずいぶんな積雪に覆われている。孫たちは大喜び。車の足元に積もる雪を丸め、親にぶつける。雪は塊になることなく、力なく崩れる。湿り気が少ないのだ。一年前の正月は、積雪がなくスキー場も閉鎖されていた。今年は大手を振って開設している。まだ歳末休みには早いためか、人手は多くないから、一日券を買ってリフトに乗ると、くたびれてしまう。
さて今日(12/29)、孫たちは親が一緒になってスキー三昧。爺婆はスノーシューで、新しいルートに挑んだ。いや、挑んだというほど新奇なものではない。あまり歩かれない小峠までの林道を歩いてみた。これが考えていたほど軽くなかった。雪が深い。一歩踏み出すとスノーシューを履いているのに50cmほど沈む。おのせいで、一歩が二歩になる。わかってもらえるだろうか。脚を一歩先へ出す。次いでそれが沈む。そこで次に三歩目が出る。それが沈んで、四歩目となるというわけだ。吹き溜まりに踏み込むと、腰まで沈む。膝で押さえてステップをつくるが、あまり効果はない。倒木が多い。倒木ではないが、雪の重みに押し倒されて道を塞いでいるのもある。越えやすいところを見計らい、脚で押さえて越えたり、枝先の方へ回り込んですすむ。婆は後からついてくるからあまり難儀はしていないが、爺が急き立てられている感じはする。おおよその距離から、2時間と見込んでいたのに、小峠まで3時間もかかってしまった。
小峠には、刈込湖方面への足跡が一つ、あった。そこでお昼にしていると、金精道路を越えて来た二人組がいる。蓼の湖経由ではなく夏道を来て、刈込湖まで行くという。「気を付けて」と声援を送ったのに、彼らが引き返してくる。
「??」。
「先行していた人が、すぐそこから引き返すっていうので・・・」
と言い訳をするが、なに、そんな必要はない。人それぞれの見切りってものがあるよと、考えている。と、また一人、引き返してくる。ああ、この人なんだ先行者は。軽く会釈を交わして戻っていく。
小峠から私は、蓼の湖い下るルートを考えていた。だが婆は、急な下りはいやですよ、という。それが面白いのではないかと私は思うが、恐さを抑える薬はない。小峠までの時間オーバーを考慮して、引き返す人たちの足跡をたどることにした。当初考えていた小峠からの1時間半が、50分で終わった。無事に下山し、荷物を車に納め、孫たちのスキーの様子を見に行ったが、リフトに乗って上のゲレンデで滑っているらしく、姿が見当たらない。
風呂に入りビールを飲んで、こうして書いている。
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