2020年3月10日火曜日

春の日和に誘われ1000mの稜線を山歩


 このところの寒暖の変化と雨の降りようは、春真っ盛りの気配がある。今週の天気予報で、晴れるのは、昨日(3/9)とだけとあって、ついに山に出かけました。むろん公共交通機関は使わず、車でアプローチ。一台だと、下山口を登山口に近づけなければなりませんが、ちょうどkwrさんとkwm夫妻が同道してくれるという。2台あれば、かなり自在にルートがとれる。
 東京の西の端の村、檜原村の仲の平から槙寄山1188mに登り、そこから南東へ走る1000mの稜線を辿って浅間峠850mから上川乗に下山するルート。檜原村は登山を大切にしているらしく、この登山口と下山口の両方に駐車場を設け、トイレも設置している。ありがたい。

 
 登山口にはすでに3台ほど止まっている。9時10分、歩き始める。私はカメラを車の中に忘れて来た。ま、今日は、無観客だからと見当違いのことを思う。「西原峠・槇寄山→」の表示がある。バス通りから離れてしばらく舗装された集落の道をたどる。これが結構な傾斜。車が上がれるのかと思うほどだが山肌に沿って住戸がつづいている。1年半前に歩いたときには、6軒の排水溝の整備工事をしていた。いまは、ジグザグに上がる道路の縁をコンクリートで固めて補修している。暮らしている人が、まだ元気ということだろう。振り返って目を上げると、秋川を挟んで北側にやはり1000mほどの稜線が並行して走っている。何年か前に歩いた浅間尾根だ。一軒の家の脇を通って、山道に入る。落ち葉が降り積もり、傾斜もほどよい。よく踏まれていて上り易い。
 
 標高差500mほどを上って西原峠で、稜線に出る。すぐ西にある槙寄山の山頂方面から3人の登山者が降りてくる。この日一度だけ出会った登山者だった。それくらい、静かな山だ。広い槙寄山の山頂から南西方面に、富士山が空を独り占めするばかりに姿を見せている。「いや、こんな富士山ははじめてだね」とkwrさんは感嘆している。新鮮な生クリームを塗りたくったように白く雪をかぶった姿が青空に映える。おこまでコースタイムでのぼっている。
 
 南東方面の稜線を辿る。地図では笹尾根と記しているが、ササは見当たらない。ヒノキとカラマツと葉を落とした落葉広葉樹が立ち並ぶ1100mから1000mの稜線に向かう。広葉樹は葉をつけていないから、向こうの山並みがよく見える。立ち止まって、あれが御嶽山、その隣の三角の形が大岳山、そこからずうっと西へ行って、こぶが盛り上がったようなのが御前山だねと、去年の暮れに上ったときのことを話す。振り返ると、先ほどよく見えた富士山は、雲に覆われ山頂部がちょっと顔を出しているだけであった。この笹尾根の稜線は、数馬峠、笛吹(うずしき)峠、小棡峠、日原峠、浅間峠といくつもの峠名が記されている。この稜線の南側は山梨県の上野原市になる。つまり、秋川沿いの集落と上野原の町との往還につかわれて峠名が残ってきたのであろう。kwrさんは、もし途中で何かあったときのエスケープルートを地図で探ったらしい。峠がいくつもあるからそのルートを調べてみたが、何処を降りても、時間はそれほど変わらなかったという。彼は、山の会の人たちを案内することを考えているのだ。主な山名は、槙寄山と丸山1098m、土俵岳1005m。稜線のルートはよく踏まれているらしく、落ち葉が積もってとても感じよく歩ける。地点名の標識も、古いがそれなりにつけられていて、地元の人たちに可愛がられている感じがする。
 
 12時に丸山に着き、お昼にする。麓の最高気温が17℃だそうだから、稜線ののここは、12,3度かなと思う。汗もかかないし、休んでも冷たくない。そうか、今日は風が吹いていない。まるで春の散歩に出ているみたいだ。午后の行程が、地図によってコースタイムが違う。kwrさんの調べた昭文社のものでは、下山地まで2時間20分くらいだが、私のスマホに出ている地図では3時間くらいかかる。ま、でも今日は、車を止めているから気遣いはないが、これがバスで山の会の人たちを案内するとなると、違ってくる。何しろバスの運行が1時間半に一本くらい、少ない。緩やかな下りが少し急になったかと思う間もなく、下の方に東屋が見えた。浅間峠だ。稜線をそのまま進むと、熊倉山から生藤山に行く。
 
 浅間峠からの下山路も、実に心地よく、歩きやすい。35分くらいで舗装路に降り立ち、そこから15分ほどで車を置いたバス停に着いた。14時49分。14.7km、5時間45分ほど。山の会の人たちをバスで案内すると、10時発になるから、このペースで、16時着。バスは16時半ころだから、ちょうど良いかもしれない。ただ、日が短いときはだめだ。そんな話をしながら、車に乗った。1年半前の私の記録をみてみると、4時間53分。3時台のバスには間に合ったようであった。
 kwrさんたちを出発点に送り、そこで別れて帰宅した。17時帰着。快適な山散歩であった。

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