2020年3月28日土曜日
桜吹雪の見沼田んぼ西縁
昨日(3/27)の天気予報は曇り時々雨。ま、そういうこともあるさと本を読んでいたら、陽ざしが明るく差し込んできた。なに、これ? とTVをみていたカミサンがお昼を食べてから、見沼田んぼのサクラをみて歩こうかという。いいよ、行きましょうと、午后1時半ころに出かけた。
意外だったのは、西縁のサクラが満開を過ぎて散り始めていたことだ。わずか3日前に歩いたときは、7分咲きかなと思った。それがもう、散り初めている。用水路には花筏が浮いている。砂利道にもサクラが散り敷いて、小さな花筵になっている。
散歩している人たちも、団体様あり、家族連れあり、若いカップルあり、女性同士の二人連れが用水路脇にシートを敷いてお弁当を広げている。お喋りしながら歩いてくる年寄りが多い。おや、ねぎを背負っている人が、何人も通る。どこかで栽培者が畑脇で現地販売しているのだろう。
用水路脇の砂利道にかぶさるようなサクラの風情が、2日前とがらりと違う。花が多くなり、枝が花まみれに垂れ下がり、天を覆うように視界一面に広がる。7分咲きと満開過ぎは、これほどに違うのか。風はなく、暖かい。長袖一枚で十分過ごせる。
おや、やはりネギや菜っ葉、里芋を売っている。かえりにはもうなくなっているかもと、立ち寄る。太いネギの束が残り2本。太すぎるとカミサンがいうと、売っているオバサンが「この先にも売ってるところがあるから」と、指さす。サトイモだけを買う。
少し先へ行くと、ビニールハウスの傍らで、3,4人の人がいて大掛かりな販売をしている。すぐ脇の畑からネギを取ってきて運んで、「買ってきなよ」と声をかける。こちらは商売っ気たっぷりだ。ネギを買い、私がザックに半分頭を出して担ぐ。
かかし公園も人出が多い。一段と、小さな子どもを連れた家族連れが多い。なかには、家族みんなが座るイスとテーブルを用意し、取り囲んでカードゲームをしている。父親がカードをシャッフルしながら大きな声で取り仕切り、子どもたちが笑い声をあげる。どこかの老人ホームの送迎用の車が2台止まって、車いすの人を乗せようとしている。そういう人たちも施設に閉じこもっているわけにはいかないのだよね。穏やかな広い公園でサクラの花見をするのは、気晴らしには一番いい。トイレもある。世話をする人はたいへんだが、サクラがお互いの緊張をほぐしてくれるような気がする。
池のカルガモが身を隠すように向こう岸に身を寄せる。何羽かは中州に上がっている。中学生らしい男の子が、自転車を止めて水面の向こうを凝視している。何をみているのだろう。傍らのハーブ園の草の匂いが漂う。
氷川女体神社に上がる。「天皇陛下御即位・・・」と表示した上りが設えられ、伊勢神宮と武蔵一宮という由緒由来を強調した「お参り」の勧めが、張り紙に書かれている。何百年目の補修・改修をしたようだ。参拝者はちらほらと見かける。不信心者の私は、柏手を打ったりしない。神社裏の森は静かだ。ここにツミが巣をかけ、子育てしているのを見に来たのは、何年前だったろうか。
帰り始めたころ、風が強くなってきた。サクラのトンネルの下から見沼田んぼの畑をみていると、一陣の風が吹き寄せて、見事に桜吹雪に見舞われる。風の息がこちらから向こうに行くに従い、サクラ吹雪きが向こうへと行き過ぎ、後から歩いてくる人が見事に吹雪かれて夜目遠目と同じに見える。手前の曲がり角には旋風が巻いて、花びらがくるくると舞い踊る。
今年も見納めだねとカミサンがいう。はて、来年、このようにここを歩いているかどうかと、考えている自分に気づく。3時間半、今日は、草臥れた。
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