2017年9月23日土曜日
いかにもいかにもの秋分の日
たしかにまだ肩にはむゅぎゅむぎゅとした「痛み」のようなこだわりがあり、腕も大きくは動かせないのだが、昨日までと違って能くなっている感触が広がる。気温もぐんと下がり過ごしやすい。
散歩に出る。半月ぶりだろうか。西の空には黒い雲が厚い。だが東の方は、少しばかりだが、青空がのぞいている。井沼方公園も、朝方の雨で濡れているから母子連れの姿がない。見沼田んぼの中にある大間木のグランドではゲートボールの大会をやっている。その脇の野球場は一人バットをもってバックネットに向けてトスボールを打っている若者がいるだけ。いつもの日曜日や祭日に、サッカーや野球に興じ響く子どもたちの声もなく閑散としている。川縁に釣り糸を垂れる人が点在する芝川を渡り、調整池へ踏み込む。
草が背を高く伸ばし、視界を遮る。大きな池の水は一杯溜まっているのだが、東南の方はなぜか白っぽい底地が剥き出しになっている。こちらの方が浅くなっているとは知らなかった。ダイサギやカルガモが葦原に身を寄せているが、オオバンの姿はない。カワウも目につくほどいない。どこかへ行ってしまったのだろうか。草原は生い茂り雨に濡れて重く背をかがめているが、小鳥の声も姿も見えない。ところどころに、椅子に座って大砲のような超望遠カメラを据えた人たちが、ポツリポツリと見える。たいていその連れであろうか、一人くらい脇にいておしゃべりしているが、この人たちもカメラを通して何かを追いかけている様子がない。ハクセキレイが低く飛ぶ。カラスの番が東から西へ急ぎ足だ。ダイサギが上空を飛び回ってが西縁の方へ飛び去った。
芝川の水量は多く、流れも速い。いつもならオオバンやカルガモが浮かんでいるのだが、ただただ濁った水が通り過ぎる。民家園を経て再び芝川を渡り、見沼田んぼの中を突っ切って西縁沿いに駅の方へと向かう。道には雨が溜まり、それを避けてわずかに残る土を踏んで靴を濡らさないようにする。大牧小学校の校庭ではブラスバンドとマーチの練習が行われている。トランペットを吹き太鼓をたたきながら横歩きをして隊列を組みかえ、バトントワラーは腕を振りながら前へ後ろへと入れ替えをしている。運動会でも近いのか。あるいは、何かの大会があるのだろうか。
前から来た四人連れの先頭の若い女性が「こんにちは」と挨拶をする。「おっ、こんにちは」と返事を返す。すると後ろから来た若い女と男が「こんにちは」と笑顔を返す。少しずつずれた声の出し方が、すれ違いながらずれて、輪唱のように響く。山でもこういう場面ってあるよなと思う。
後ろから車が来る。わきへよける。水たまりがあるのに、それをものともせずに速度を落とさず、水を跳ね飛ばして行きすぎる。中年のおばさん運転手。私なぞ目に入らないみたいだ。駅に近くなると人通りが多くなる。お昼頃ということもあって、レストランや食堂への出入りが頻繁になる。お腹が空いたなあと思っていたが、この人の賑わいをみるとどこかで食べて帰る気分が失せてしまう。
こうして、2時間ほどの散歩をした。ちょっとくたびれを感じた。半月のあいだに身体はずいぶんヘタッてきたようだ。腕だけじゃないね。リハビリが必要なのは。
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