昨日(9/6)の朝日新聞「折々のことば」 は《本を読むにはエネルギーが必要です》という児童文学作家・中川李枝子のことばを》引いて、つづけて鷲田清一はこう展開する。
《オビや目次を眺め、頁を繰っているうち、ある文章に目がとまる。引きこまれもすればがっかりもする。が、ひたすらそれをくり返す中で、すごい本、つまらない本を嗅ぎわけるこつを憶える。楽して未知の世界はこじ開けられない。課題図書を読むだけ、言われて感想文を書くだけでは「幸福発見の貴重な技術」は身につかないと、児童文学作家は言う。『子どもはみんな問題児』から。》
そしてこの日の新聞紙面は、そのすぐ下に《課題図書を読んで将来の夢とプランを考えよう》と訴える《小学生『夢をかなえる』作文コンクール 10/31締め切り》の広告を配置している。
なんと見事な、皮肉。いや贔屓目にみれば、「皮肉」というよりは「警醒」ともいえる。もちろん親に対しての。「ほれっ、こういうのがあるよ。応募してみたら」とわが子に推奨する親が、「折々のことば」を目に留め、自分とわが子との「かんけい」にどこまで思いを致すかわからない。でも「新聞」としては、そういう配置にしているだけで、お役目は果たしている。整理部のどなたかが意図してしたこととは思えないが、偶然のいたずらだろうか。面白い。
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