2018年12月16日日曜日

信頼感の源


 団地の管理組合が施設設備の保守管理を取り仕切る義務を負っていることは、良く知られている。理事長は、法的な責任を一身に背負わされているわけだが、建築などの素人である私に務まるとは思えない。いや、例の桜田大臣の話をしようというのではない。この責任を背負う役が務まるのは、理事会の諮問機関として修繕等に関する専門委員会が設置されて機能しているからにほかならない。むろん理事会に建築理事というのが2名置かれて、専門委員会をコントロールしている。この理事・役員が選出階段毎の輪番で毎年交代するから、ときにはずぶの素人が建築理事になって、青息吐息の一年を過ごさねばならないこともある。今年はふたりとも、ずいぶんしっかりした理事が就任したから、安心して見ていられる。むろん正副理事長は、毎回の専門委員会に出席する。


 今日の議題の一つに、ある号棟の3階に移転してきた方からの「要望」が検討された。この団地にかかわるケーブルテレビのインターネットサービスを受けたいという。「……?」、ところが、リビングではインターネットの信号を受信できないというのだ。いやじつは、もうふた月以上前に「問い合わせ」があり、そのケーブルテレビに知らせたところ、該当顧客の部屋の受信状況をチェックに入った。すると、和室や洋室は十分受信可能なのだが、リビングの信号受信が大きく減衰していることが分かった。そのケーブル局は、5階から一1階へ向けて流している同軸ケーブルに問題がある、この同軸ケーブルは団地の管理組合の所有物であるから、それを修理してほしいと結論的な要請が出された。5階から1階へ向けて流れ各階で分岐して部屋へとつながれているらしい。

 専門委員会は、もしそうなら(築後28年経っていることもあるから)同軸ケーブルの交換もやむをえまいと、意見がまとまっていた。だが結論を出す前に、当の一つ階下の部屋の方にお願いして「受信状況調査」をしてもらおうとケーブル局に調査を依頼し、ケーブル局も快くそれを受けて実施した。その結果が今日、発表されたのだが、当初の予想に反し、階下の部屋の方はまったく問題なく減衰しておらず、受信可能であることが分かった。調査したケーブル局は、同軸ケーブルに問題があるとした最初の見立てを修正し、3階の居宅がリフォームをしたときに、リビングに引き込まれたケーブルを傷つけたのではないかと「推察する」と結論的な報告を送ってきた。

 その旨を3階の方に伝えると、傷つけたかどうかはわからないがリフォームしたと言っていたこと、リビングの受信状況が良くないと先住の売り主にいわれていたと分かり、同軸ケーブルの修繕はしなくてもよくなった。

 この経緯をみていて、こういうところがきちんと組合員に伝えられていると、専門委員会への信頼度は、ぐ~んと上がると、私は思った。

 専門的なことはわからないから、私はもちろん口を挟まない。だが、委員たちの間のこれに関するやりとりは、技術的なこと、法的なこと、ケーブルテレビとの「契約」時における「情況認識」を示す「調査数値」のことなど、一つひとつ丹念にたどって、それを検証する「調査」を依頼して結論を出すという手順は、聞いているだけで、はっきりわかる。きっちりと「検証」しているのだ。ただそういう活動をしていると、広報しない。組合員は、昨年までの私同様、知らないから信じるも信じないもない。ただお任せしているというだけに過ぎない。

 今日は、そうであったことを申し訳なく思い、この専門委員会のありようを、もう少し広報する手立てはないものかと思いながら、聞いていたのでした。

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