昨日は一日、ボーッと過ごした。車を出して買い物に行き、ついでにカミサンを映画館まで送り届けて帰宅してから、TVを見る元気もなく、図書館で手に居入れた保坂和志『遠い触覚』(河出書房新社、2015年)をちょっとずつ読みながら、何かを想いながら過ごした。5/25と26に青山文平の小説を読みながら考えたことを記したが、その感懐が「ぶらり遍路の旅」の始末がついた証しのように思えた。
振り返ってみると、今月9日にお遍路から帰ってきてから、「ぶらり遍路の旅・ご報告」を毎日少しずつ綴って仕上げるまで13日かかっている。それに、出発前の心裡の不安を記したものと、歩く途中の海部町の気風にまつわる社会学者の調査報告を読んだ記憶とを付け加えて仕上げた。見出しも含めて、1頁58字×50行二段組み、A4版で20頁。四百字詰め原稿用紙で約140枚になる。
それをプリントアウトして、17年前のお遍路をするきっかけを作ってくれた友人のカクさんに手渡し、しばらくご無沙汰したご近所の友達にご笑覧頂いて、ぶらり遍路の今回の始末を付けた。「長旅をした」私に「何処へ行ってたの?」と訊ねてくれたメル友にはpdf版を添付してみてもらっている。
keiさんからの返信。
《「四国のお遍路」に行ってらしたのですか。前書きしか拝見しておりませんが、自然体が80歳には一番ふさわしいのではないか、最良の選択をなさったのではないかと感じています。(笑)/ゆっくり拝読させていただきます。/私は左膝変形性膝関節症を受け入れつつ、「筋トレで筋肉に働いてもらい、せめて現状維持を」と、3日坊主を克服したく願っている最中です。取り急ぎ》
とある。そうだね。80歳ともなるとあちこちに故障がくる。ことに膝関節や骨は、よほど習慣的に歩いていないと弱くなってきてしまう。その耐用期限が迫っているんだね。でも「筋トレ」は、わりと短期間で効果が出てくる。現状維持で十分だから頑張って。
名古屋のohgさんからは、続けて2通の返信があった。
《小生は足掛け5年かけて、一部は乗り物を使いましたが、曲りなりにも完歩しました。立江寺は僧房で泊まりましたが、隠岐の島の漁師の信仰寺だそうで、泊まった時も島から大勢が参拝に来ていました。丁度お寺の市の日で、老いたおばさん達に代わって遍路してきてくださいと触れられた幸せな?想い出があります。/また、あなが隠岐の島で清遊したのことも併せて想い出します。良い傘壽の記念になると良いですね。》
《感想を続けます。19番から37番まで一挙に歩くとは流石です。岩本寺にも想い出があります。窪川駅から7.8分の処で泊まりました。美馬旅館と言って、老舗の地方宿ですが、林芙美子等が泊まった文人宿です。天気には恵まれなかったものの、窪川の風情が忘れられません、四万十川の上流域にあって、美馬旅館の料理も美味かった。/岩本寺の天井画に、モンローを描いた一枚があったのはあなたも観たと思いますが、遍路寺では異色ですよね。奥様の故郷から岡山の同窓会出席とは考えましたね。》
立江寺が隠岐の島と縁があるとは識らなかった。また、岩本寺のモンローの天井画にも気づかなかった。もし「ぶらり遍路」のつづきをやるときは、岩本寺の天井画を見てみよう。美馬旅館には、十年ほど前に泊まったことがある。四万十のヤイロチョウを観に行ったとき。まだ早朝暗いうちに宿を出ていくのに朝食をお弁当にしてくれた。それがなかなかのモノであったと記憶が甦ってきた。そうだった、どっしりとした風格を感じさせる装いの老舗旅館だ。今回そこは、大型連休もあってか「満杯」であった。
想えば、「ご報告」を書き終えてひとまず終わった「ぶらり遍路の旅」は、こうしてまだ、続いていると言えるのかも知れない。
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