2017年3月21日火曜日
面妖なデジタル
つい先日(3/16)、「馴染めないデジタル社会」と題して、突然動かなくなり「メーカーに修理に出してください」という表示が出たプリンタのことを書いた。「(部品保存期間を過ぎたので)修理受付もできません」とメーカーのつれない返事に、ブラックボックスが多くなった製品(とその時代)には馴染めないと愚痴をこぼしたわけだ。
だが、じつは明日、山の案内がある。その地図を用意しなければならないから、プリンタを買うことに決めた。といっても連休中はお店が混み合う。昨日お昼頃、山歩ついでに量販店へ偵察に行き、近ごろのプリンタがどう変わってきているのか事前調査をしてきた。この五年ほどの間にずいぶん変わっている。まず、両面印刷ができるようになった。これは紙の節約になる。カラー印刷の7色というのもできている。印刷の一枚当たりの経費も表示されていて、A4版カラーが7.6円から0.6円までピンキリである。むろん印刷速度も速くなっている。何より驚いたのは、「大容量タンク」と銘打って、印刷インク満タンにすると一年分もつというのが出ている。インクボトルで補充する形だから、これはいい。これまでは、インクカートリッジの購入で費用が掛かった。しかも、ひとつの色カートリッジがなくなるとプリンタ全体が動かなくなる。一色が7、800円するから、6色パックのお得な方を買う。そうすると、いらない色がどうしても出てくる。プリンタが壊れたりすると、買いおいたインクが使えない。メーカーは、新製品を出すごとに、それまでのインクカートリッジが使えない新型に切り替えて、インク需要を減らさない工夫をしている。それがボトル補充になると、無駄が省ける。加えて一年分(私らの使いようだとたぶん2、3年分)補充が要らないというのは、結構なことだ。インク代を考えても、機器そのものが1万円ほど高くても、結果的には安くつくといえる。でも、これまで使っていたメーカーと違うから、ちょっと不安であるけれども、まあ、この辺りかなと見当をつけた。
そうして今日、雨。買い替えにいくことにした。車で故障したプリンタももって行って処分してもらおう。ついでに、買いおいたインクカートリッジが6色ひと箱と3つのカートリッジもある。これもあげて来よう。そう考えて、プリンタを運び出すことにした。ほんのちょっとした出来心なのだが、取り出す前に、抜いたままにしておいたコンセントを入れてみた。と、「不正な方法で電源が切られました。電源ボタンを押して切ってください。」と、妙な表示が出る。前回動かなくなったときにコンセントを抜いて切ったことを非難しているのであろう。それにしても、「B=200」という故障表示コードと「修理に出してください」という表示が出ていない。今回の標示にしたがって、電源ボタンを押してスウィッチを切り、再び電源ボタンを押してスウィッチを入れる。すると、まったくいつものように「印刷準備ができました」という画面になったではないか。
「えっ、なおったの?」と思いつつ、印刷するべき箇所の地理院地図を表示しプリントアウトすること3枚、無事に出力し、作成することができた。プリンタはまったく、モンダイがない。まいったなあ、デジタル。休ませておいたら、なおってしまった。カミサンのご機嫌のようなものだ。ああ、いやいや、口が滑った。ブラックボックスは、これだからわからない。もし私がコンセントを繋がずに量販店に持ち込んでいたら、そのままクズになっていたであろう。なぜなおったのか。デジタルの「故障」に、コンセントを抜いて電源を切るというイレギュラーな「事態」をぶつけたら、デジタルがイレギュラーの方に反応して、最初の「故障」の方をスキップしてしまったということだろうか。まったくわからないところが、これまたブラックボックスである。
そういうわけで、せっかくのプリンタ最新事情も役立たせることなく、明日の山準備を進めているのである。
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