2017年11月3日金曜日
バーダーの神髄
昨日まで五日間、石垣島と沖縄本島に行っていました。鳥観の極上の専門家たちに同道させてもらうプライベート探鳥会。いうまでもなく私は門前の小僧、「くっ付きのを」です。カミサンのよく知るTさんのコーディネートで、埼玉の探鳥グループの責任者ご夫妻と私たち夫婦の五人という少人数。石垣島に三日間、沖縄本島に足掛け三日、ほんとうに朝から晩まで、鳥が好きというか、鳥に魅入られた人たちは、これほどに鳥にのめり込み、鳥を堪能しているのだと体感してきました。石垣島の案内をしてくださったMさんを入れて三人の、三様ぶりもみものでした。
羽田を出発する日に台風がやってくる予報とぶつかり、ハラハラさせられました。幸い台風の脚が遅くなって、出発する日に台風は沖縄本島から四国沖に移動し、出発して後に関東地方を巻き込んで大雨と風をもたらしました。考えてみれば何の不思議もないのですが、台風の雲の上は、つねに明るい陽ざしが照りつける晴天域なのですね。飛行機の上からそれを確認し、まるで神になったように下界のことごとを、小さい小さいと思っておりました。つまり、台風通過の間隙を縫って空を飛び、台風一過の幸運と思われる鳥にも出逢って、ホクホクして帰ってきた次第です。
石垣三種という言葉があることも知りました。石垣島に来たらこの三種だけは観なくちゃならないとされる三種類の鳥、ムラサキサギ、ズグロミゾゴイ、カンムリワシ。いうまでもなく、ばっちりと見せてもらいました。ことにカンムリワシは、5メートルほどのところで右へ左へ飛び動き、まるで野において飼っているような姿と飽きるほど向き合ってきました。そればかりかジャワアカガシラサギ、リュウキュウコノハズクやカタグロトビ、案内してくれたバーダーも40年棲む石垣島では初めてというイスカなど、台風が連れてきたと思われる珍しい鳥も見ることができました。
また沖縄本島では国頭三種と呼ばれる、ヤンバルクイナ、アカヒゲ、ノグリチゲラも観ることができました。案内してくれた方が掌を指すように、どこに何時ころどう現れるかを熟知していて、この季節にはそろそろ見るのが難しいものまで見たというのは、僥倖というほかありません。というか、探鳥の専門家たちの鳥の生態へのまなざしと動体視力の良さ、慥かさには、ほんとうに驚嘆しました。石垣島の案内バーダーは、地元で酪農を営みながら、野鳥の写真を撮ってカメラマンとしても名を成していて、さらにイラストレーターも務めるという八面六臂の活躍をする五十歳代後半のかた、また、この旅をコーディネートしてくれたTさんは、今年だけでもすでに五回、石垣島や沖縄を案内しているという、これまた、まったく別の本業を持っている六十歳代後半の辣腕家。もう一人は、案内を受けながらただただご自分の野鳥への関心に引き寄せて研究者的に写真をに収めている方。
これまで私が同道した探鳥では、現地で歩きながら鳥を見つけ、スコープを構えて現認するという方法でしたが、今回はそれと違い、車から原則として下りないで、ひたすら鳥を観続ける。鳥が車を畏れないことから、しずかに接近してカメラに収めるというやり方。案内役の二人は大きなバズーカのようなズームをつけ、案内されている専門家も3000ミリまで倍率をあげることのできるニコンのミラーレス一眼を使うという、私からみるとツワモノでした。
詳しいことは機会があれば書き落としておきたいと思いますが、バーダーの神髄を覗かせてもらったような気がしています。
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