2018年3月30日金曜日

季節の進行が早い


 サクラソウが咲いていると聞いて、今朝、田島ヶ原のサクラソウ自生地へ行った。例年なら4月の初旬に咲き始め、20日ころにサクラソウ祭りとなるのに、今年はサクラソウがすっかり咲いて、ノウルシが覆い隠さんばかりになっている。サクラソウ自生地の案内ボランティアもはじまっていて、今日はボランティア希望者への説明会を開くという。陽ざしはいっぱいだが、一昨日のように暑くはない。長袖シャツにウィンドブレーカを羽織るとちょうどいい。秋ヶ瀬公園のサクラも、もう散りはじめていて地面も桜色に染まっている。サクラと芝生の緑と自生地のノウルシの黄色を含んだ若い緑は、春爛漫という言葉を思い起こさせる。季節の進行が今年は早い。1時間ばかり公園を散策して、帰ってきた。


 明日のSeminarの用意がある。2013年4月から五年間続けてきたSeminarは、今年の一月に30回を重ねた。明日は総まとめの集まりになる。三人の講師が、この五年間と自らの、ここを過ぎてからの五年とを重ね合わせて話を聞かせてくれる。事務局を務めた私は、五年分のSeminarの講師とお題とそのキャッチコピーを一覧にする。A4版の用紙に12ページになった。登場した講師は15人。それぞれご自分の関心事を「お題」にして話をする。野球の話しから戦後の建築デザインの移り変わりも取り上げられた。「色の話」もあれば、第九を歌おうというのもあった。なかにはバイオリンの演奏を織り交ぜて、「音楽よもやま話」をしてくれた方もいる。宇宙論やミクロの世界の話しも、どこかで今の私たちの日常と響き合う個所をもっていて、強くひきつけられる。つまり、去年4月から今日までの間に後期高齢者になってしまった人たちの、70歳代の五年間の30日分が、ここに凝縮されている。このように時間を過ごしたことがどんな意味を持ったかと、昔の私なら考えたであろう。だが今は、そんなことはどうでもよい。意味はそれぞれの人の胸中に問うてもらうしかない。場を設営したものとしては、その瞬間瞬間の「思索の旅」が、あるいは「感性の移ろいの旅」が面白かったかどうか。そういう意味で私は、一回一回をできるだけ丁寧に、「Seminarのご報告」というかたちでまとめてきたことが、わが身を振り返る記録になった。だがこれが(まとめてみてはいないが)たぶん、400字詰めの原稿用紙に直したら1000枚を超えるであろう。Seminarをスタートさせるときは、五年間やって、そのあとでまとめて一冊の本にでもしようと、Seminarを提案した友人のHくんと考えていた。だが、それも今は、まとめたければ私がまとめ、私の記録として製本する。そんな程度のことだと、思う。

 以後のSeminarはどうするのか。じつは、五年経ってみると、病や家庭の事情などで、顔を出せない人が何人か出来した。ともかく五年間やり通したのだから止めてもいいと思っていたのだが、つづけようとHくんも言うし、会場を手配してくれているSさんも「頑張るから」と継続を希望している。私自身、行き詰まりを感じているわけではない。講師やお題がなくなれば、私がいくらでも提出できるという気分にもなっている。そういうこともあって、「第二期Seminar」としてやることにした。第二期の最初は、私が「人間とは何か」をお題としてやる。第二回はHくんが私と天皇制」と題してやることにしている。ま、ま、こんなものよ。年寄りの「かんけい」ってものは。

 あっという間だったよ、五年というのは。次の五年の間に、彼岸にまで行っちゃうんじゃないかとさらに早い時節の進行を思っている。

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