2018年10月10日水曜日
いかにも里山の奥久慈男体山
今日の関東北部は山歩きの好天。陽ざしも入る曇り空。じっとしている分には暑くない。二週間前に歩いた奥久慈男体山の別ルートを確認のために歩いてきた。静か。二人の登山者にあっただけ。二人とも車で大円地まで入り、男体山の(たぶん)健脚コースを上がり、一般コースを降ったと思われる。私は、二週前に健脚コースから登り、稜線上を西の月居山まで縦走したが、一般コースと上小川駅への下りを歩いていなかったので、そちらをみてみようとしたわけ。一人は下山しているときに会い、もう一人は、男体山の山頂で出会った。静かな山だ。
一般コースが、驚くほど歩きやすい。年寄り向きの登山路といっていい。下山のルートも、岩場がそれほどなく、しっかりしている。ただ、台風24号と25号の影響か、倒木が多い。一カ所、大きな二本の広葉樹が倒れて道を塞いでいた。片側は崖のような急斜面。枝をつかみ、葉の向こうがどうなっているか覗いて、身体で枝を押し払うようにして通過した。鋸を持っていても、枝を切り払うのは大変。それと、これも台風のせいと思われるが、枝や葉が大量に落ちている。道は歩きにくい。みなさんを案内するのは12月だが、それまでに道の整備がなされるかどうかは、わからない。ま、整備されてなくても、山ってそういう季節の移ろいに翻弄されているのだと見て回るように考えれば、これも山歩きの愉しみになる。
眺望は良かった。654mの男体山がひときわ高く、際立つ。そうそう、今朝の車でのアプローチのときに、遠方にみえた男体山とそれに連なる山に、薄いベールをかぶせたように雲が張り出し、なかなか風情があった。男体山はその雲の上に頭を出して天下を睥睨しているようであった。ああ今日は暑くなるなと思いながら、上小川駅の駐車場に車を止め、電車で一駅、西金駅まで行き、そこから歩いたというわけ。もちろん上りはじめるころには雲は取れ、陽ざしが差し込んで、汗ばむほどであった。奥久慈というだけあって、背の低い山が東西南北にずうっと連なっている。その合間合間に、ポツンポツンと集落があり、何軒かの家が建っている。出発点の大円地の蕎麦屋がすぐ下に見える。
下山地の上小川の集落は、田んぼが広がり、真ん中に中学校を置いていかにも落ち着いた里山という風情であった。人影は見えない。中学校は目下授業中であったのであろうか。下からみると男体山が岩崖の部分を西側へ向け昼の陽ざしを受けて、こんもりとした緑のなかにそそり立っている。大子町と常陸太田市にまたがるのであろう、この地のハイキングコースが南の湯沢峡と合わせて、男体山を中心に紹介されている。自慢の里山である。
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