2020年1月3日金曜日
トラブル
奥日光二日目。孫たちはスキー。一人まだ初心という子がいて、午前中はスキー教室に入ったが、あとの孫たちは、リフトの終日券を買ってスキー三昧。親が付き添って過ごす。体力的に、ぼちぼち子どもの体力と親の体力が拮抗するのだろうか。兄孫は親と離れて何本も上り下りをしている。
スキー教室へ預けたあと1時間半くらい空く。私はスノーシューを履いて、スキー場脇の林道を詰め、金精道路へあがるところがどうなっているか、様子を見に行く。雪が少ないと、金精道路へあがれない。ビールの空き箱をいくつか積み重ねて上るようなこともあったようだ。今日はだれも歩いておらず、スノーシューでもずぶりと深みにはまることもある。だがおおむね壺足でもなんとかなるような気配だ。道路に上がるところは、身体を伸ばすとガードレールに手がかかる程度に、雪が積もっている。傍らにビールの空き箱が4つくらい、ネットに包まれて立ち木に固定されていた。
金精道路は冬場は通行禁止になるから、ほどよく雪が積もっている。踏み跡をつけながら、気持ちよく降る。木立の間から下の方に湯ノ湖の湖面が光っている。湯元のスキー場も、旅館街も、雪をかぶって人の動きが蟻のように見える。スキー場の一番上のリフトは動いていない。上部は雪が少ないからだというが、ほんとうだろうか。これが動かないと、上級者の滑るところはなくなるから、リフト券は「半日券」で一日滑ることができるように、調整している。
金精道路の小峠への分岐点に来る。小峠への夏道の踏み跡も、すっかり凹んでいて、ずいぶん人が歩いたようだ。蓼の海へ下る踏路も、踏み跡がしっかりとついている。それを確かめて、湯元の泉源へ下る。いつもなら雪に覆われているルートの、階段状に組まれた石が剥き出しになっている。やはり雪が少ないのだ。いつもなら、雪の上をショートカットして、雪ならではの下りの面白さを味わうところも、ブッシュが剥き出しになって、風情がない。おおよそ1時間でここまできた。ここから下ると、1時間半で出発点に戻る。もし山の会の2月のスノーシューのルートにするなら、これに小峠と蓼の海を回遊するコースを加えれば、4時間くらいになる。今月下旬の下見のときの積雪状況を見なければならない。
お昼前にスキー場に戻った。見ているとスキー教室のグループもリフトを何度か使って、降りてきている。何とか滑ることはできるようになったようだ。初心者用のゲレンデは、しかし、スムーズに動いている。まだ3歳くらいの小さな子が、見事な滑降をしている。父親らしきのが、後からついていっている様子だ。スノーボードの若いのが、上手にコントロールして滑り降りてくる。年寄りが、やはりスノボで滑ってきて、目の前で転んで停止した。
お昼を息子たちにまかせ、宿に戻る。一休みして、外へ散歩に出る。ゲレンデと山道との間をぐるりと見て回り、もう一度ゲレンデへ戻ろうとしたところで、ばったり息子夫婦と出逢った。
「子どもたちは?」
「Sが捻挫をして、今、宿に戻ったころ」という。
ほかの二人の孫が、一番年上の孫に付き添ったそうだ。びっこを引いている。痛みがある、と。フロントに相談すると、氷を袋に入れてくれ、膝にあてて冷やすようにといい、落ち着いたら湿布するようにと、湿布薬もくれる。あわせて、その湿布薬を当てたところを日光に当てるとかぶれると、注意も付け加える。ありがたい。当人は、スキーで汗をかいたから風呂に入りたいと言ったが、身体を温めると、血流がよくなって痛みが増すと、明快に処方を教えてくれた。
こうして今日のスキーは終了した。ゲレンデにいたスノボのカップルがとても親切で、たすかったと、孫たちが口をそろえていう。ゲレンデの片隅にあった雪の盛り上がりに乗り上げてジャンプしたあとの着地がうまくいかず、ねん挫したようであった。
明日の行動予定を少しばかり考え直さなければならない。だが無事に帰り着くことができれば、まあ、良しとすべきか。捻挫をした孫は、どういうわけか、宿題に取りかかっている。
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