2020年1月7日火曜日

「日米同盟」、解消しては?


 アメリカがイランのソレイマニ司令官を殺害したとの報道の分析の中で、日本エネルギー経済研究所の理事が「米国民の関心、弾劾裁判から反らす狙いか」と解析している。同司令官はイラクに駐在してイラク政府の立て直しに信頼を得ていたという。そもそもアメリカはイラク派兵以来、シーア派の現政府を後ろ盾となってつくってきた。だが前大統領との違いを鮮明にしたいトランプ大統領の、国内向けアピールのために袖にし、なおかつシーア派がイランと手を携えてイラクで力を蓄えてきたことに敵愾心を燃やして、「多数の米国民を標的にしようとしている」とみなして、殺害に及んだという。つまり、アメリカ国内の有権者向けという楽屋落ちのような理由で、ソレイマニ司令官の殺害に及び、「報復」を表明したイランに対して、「報復するならイランの52カ所を攻撃する準備を済ませている。52というのは、(1979年に)アメリカ大使館で人質にされたアメリカ人の数だ」とネットで脅しをかけているという。


 日本は、日米安保という大戦後の軛を引きずって、あたかもそれが対等な同盟関係であるかのように「日米同盟」と言い習わして、その保護下に身をひそめている。だが、そうか。まずは、対等ではない。日米行政協定の改訂にも、アメリカが乗りだそうとしないから、要求しないという腰の引けた立ち位置しか取れない。でも、アメリカのアジア戦略が明快で、それに日本が加担しようというのならば、力の差から、致し方ないと思わないでもない。だが、そうか。

 アメリカのアジア戦略は「アメリカ・ファースト」というトランプの選挙戦術のために、うろうろと外面ばかりを飾り立てるパフォーマンスに終始している。北朝鮮が業を煮やして期限を切ると脅していて、急にアジア戦略を思い出したかのように強気の姿勢を打ち出して見せたりして、はなはだ見苦しい。国内向け宣伝に役立たないなら掌がえしというのは、いかにも「アメリカ・ファースト」に似つかわしいが、とてもつきあいきれないのではなかろうか。だが軍事力において、経済力において、何はともあれ世界トップの座を保っているアメリカ。それには、従うしかないのか。

 むしろ、第二次大戦後の軛を引きずって、こういう「同盟」に入れ込んで、アメリカの51番目の州と謂われるよりは、他国からの侵略の脅威を全身で受けながら、外交関係で懸命に生き延びる道を探る方が、敗戦国日本にふさわしい「生き方」なんじゃないかと、思ったりする。私の親世代ならばトランプのやり方を「恥ずかしくないのか」と非難するであろう。いっそのこと「日米同盟」を解消して、誇り高さを謳って、滅びるやもしれぬが耐えて、それを潜り抜ける道筋を選び取ってはどうだろう。

 いつか、東海の果てにジパングという国があった、と語り継がれる「古事記・傳」を残して、と。

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