2018年6月13日水曜日

主婦のやっていること


 「通常総会」で理事長を引き受けてから3週目、ほぼ毎日いろいろなことが起こっていると、わかる。


 「引継ぎ」にしてから、「議事録」がいるとか検印が(一人)足りないとか銀行は細かい。事務処理を委託しているところとの、「確認」書類が結構多い。前理事会で決めて進めている作業の「契約」や「実施」を受け継がねばならない。「通常総会」でもめた「契約内容」を確認し、日を改めて「契約」をする。もめたのは「契約内容」をきちんと理解していなかったからとわかる。作業日の車両の移動の手配、確認が行われている。作業の開始と終了に立ち会う。駐車場所変更に伴う「車止め」の一時排除を行う。四人ほど手数が必要なのを、いつのまにか声をかけてやっている。

 すると、車輛移動該当戸の「電話が違っている。わからないか」と夜、担当理事からメールが入る。わからない。と、CCメールを受け取った別の理事から「正しくは……」とメールが入る。「植え替えた木の高さをどうするか、横にはみ出した枝をどう伐るか。車がない今やっておいたほうが良いと思われる樹木の選定をやっていいか」と作業監督から問い合わせもある。担当理事も樹木の専門家ではないから「どうしよう」という。そちらの方を熟知した方に依頼すると、快く引き受けてくれ応対してくれた。

 4月分の会計処理の「帳簿」と「証拠」とが提出され、検印を押す。売りに出していた住戸の売却が決まる。新しい居住者から「分譲譲渡届け」が提出され、その入居日と家族構成が届けられる。駐車場が必要かどうかもついている。住戸の内装を変える届が提出される。工事期間も記されている。二カ月近い。ということは、内部の大きな変更になるか。

 給水ポンプからの水漏れが定期点検で発見され、業者に依頼して、分解修理。建築担当理事が立ち会う。ある階段の上階の給水管に「異音」と訴え。業者に依頼してチェックしてもらい、操作の仕方で音が消えるとわかる。業者は「サービスです」と無料で対応。「広報」で(扱い方を)知らせる。

 「駐車場所の近くに車が止まっていて、出られず約束に間に合わなかった。何とか対応してください」とメール。事情を知る人に言わせると「畳業者が止めていて、連絡先の電話も運転席に表示していた。よく見なかった奥さんも悪いのよ」と話す。でも、「ここに停めると車が出られません」と表示してあるのだから、そんなことを言うのは失礼だと、私は思う。担当理事に「対処をお願いします」とメール。夜になって「対応します」と返信が来る。翌朝「カラーコーンが置いてありました。さっそくの対応、ありがとうございました」と感謝メール。それを担当理事に送る。事務所に行ってカラーコーンはどこに置てあるのか事務職員に訊ねる。「ここですよ」と棚を開け、「あれっ、ここのを使ってませんよ」という。担当理事に「どこのを使ったのですか」と問い合わせる。これも夜になって、「すみません。私物を使いました」と詫びのメール。「いやいやそういうことではないのですよ。ご対応ありがとうございました」と改めて感謝して、カラーコーンの置き場所をお知らせした。

 生垣の植替えは樹種を変えたために「この夏は水やりを絶やさないようにしてほしい」と現場監督に言われる。「二年目以降は天水で十分」なのだそうだ。でも誰が水をやるの。どのくらいやればいいの。その方面を熟知している方に相談する。彼女は現場監督と構内の樹木の選定などのことも話している。東側の斜面にかかるクヌギが大きくなりすぎて、伐らないといずれ倒れて危険とか、事務所前の二本のケヤキが太く背が高くなりすぎている。これもどう始末するかと、やりとりの声が聞こえる。そういえばこの団地も28年を過ぎた。出発当初は幼木であったものが、いまは大木になる。しかも実生の木まで生えてきて、すっかり貫録を持った位置を占めている。そういうことに気づかなかったなあと、わが心裡に目が行く。

 上記のことごとは、じつは全部、脈絡なく、ばらばらに起きている。そして気が付いた。これは主婦のやっていることと同じだと。ちょうど、団地を一つの家とみた場合、家にかかわる出来事や管理は、ときを問わず発生する。いうまでもないが、建物や植木の専門家でもないから、専門家にゆだねるところは委ねなければならないが、その「判断」を求められたときに果たしてどう対応するのだろう。その「チェック」を頼まれたときに、どう、なにをみて審査しているのだろう。

 全部カミサンに任せて、「仕事」に生きてきた私としては、一体これまで何をしてきたのだろうと、思う日々が続いている。ツケが回ってきているのか、新しい体験と心躍ることなのか。己の力を超えることは、そもそもできないのだからと、居直ってはいるのですが。

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