2018年6月3日日曜日

私の神経戦(2)まずひとつ峠を越えた


 今日は「お役目」の第一回理事会。A4版16ページの「議事資料」を作成し、臨んだ。マンション管理の事務方を引き受けている会社の「恒例の説明」があるというので、10分ほどをとられた。新米かと思われる若い女性社員が、型通りに説明する。質疑がふたつあっただけ。


 次いで自治会案件に取りかかる。これは、自治会長が議長を務める。柔らかな問題提起と運びに、この団地の共同性が滲み出てくるようであった。「環境小委員会」を設けたいと問題提起。「環境理事」をサポートするためと説明があったから、これは理事会案件だと急遽引き受けて、承認を得る。
 7月実施のクリーンデイの作業イメージが提起されないが、もう28年もやっているのだから、いまさらという感じなのであろうか。後で理事会案件として定期説明したのが「自治会案件だわ」ということになり、そっくりそのまま「自治会決議」の方へ回した。理事と自治会役員がダブっている組織だから、こんなことが融通が利くが、逆に、始末が悪いとどちらが担当なのか分からなくなる。そこはきちんと仕分けしなくてはならない。

 「報告事項」と「審議事項」を意識して区分けしながら話をすすめる。そうして、今日第一の「議事」である「修繕専門委員会への付託事項」を取り上げた。もう三年も修繕専門委員をやっているかたが今年の建築理事だ。よく知っている。団地住民の下世話なことにも通暁している。私などは、できるだけ他人様の懐に踏み込まないというスタンスを、現役のときも退職してからもとってきた。だから女房たちが「世間話」をしていると距離をとるようにさえした。ところが彼は、ほんとうによく知っている。驚くほどだし、コワクもある。この彼が、じつは、三か月ほど前に「付託事項(案)」を作成して、「これでどうか」と送ってきていた。まだ理事候補だし、「そんなに急かさないで」といってきた。だが今度は、「理事会が付託するのだから、私がつくる」と彼の提案をベースにして、作り直した。大きな変更は二カ所。一つは「修繕積立金の値上げ」と「駐車場利用料金の値上げ」を連動させないこと。もうひとつは、「修繕積立金がどれだけ不足するか」を理事会へ「情報提供」することと「値上げ素案」の提案である。彼とすれば、修繕専門委員が「説明会」から「値上げ提案」まで取り仕切り、「総会」に提案すると考えていたろうから、理事会へというクッションが腑に落ちなかったかもしれない。そういう気配は伝わってきた。だが、「理事会」が理解しないで住民に理解してもらうことはできない、とスジを通すように私が話したために、彼が踏み込む余地がなくなってしまった。専門家としていろいろとレクチャーしてくださいと褒めて我慢してもらったというわけ。むろんほかの理事たちは、「わかりやすい」方がいいから、私の提案を指示してくれた。「駐車場利用料」も、「周辺の駐車場利用料金を参酌」しても決して安くはないとしたから、たぶんこれ以降、値上げの話は出てくる余地はないと思っている。

 そんなこんなで、無事に理事会を終えた。皆さん前向きだ。ちょっとずるいが、私は「なにも知らない」素人という立場をフルに使っている。つまり理事長が素人だから、他の人たちがそれぞれ自分のできる範囲で「お役目」を果たさなければならないと、思ってくれているのだ。ありがたい。

 そうそうひとつ、面白い議事運びをしたことがある。じつは、クリーンデイというのは自治会マターと決したのだが、クリーンデイの掃除をした日に、出て来てくれた人たちにお茶を一本サービスしている。子どもたちが喜ぶのだ。ところが自治会と理事会は会計が別だから、理事会が購入するお茶はアスクルを通じて配送されてくる。自治会は、役員が車を出して購入してくる。ところが、クリーンデイは年に3回。消費期限が過ぎてしまうことがあって、理事会で一括購入してくれないか、と自治会長から打診。会計係が、理事会が一括購入して、あとで使った分を自治会から支払うように会計操作ができないか、と提案があった。いいじゃないか、それでと皆さん思ったのだが、事務職の方が、「そういう会計操作ができるか、本社に問い合わせてみる」と言い出した。「消費税のこと?」と私が混ぜ返すと大真面目に、「そういうことも言われるかもしれない」と受けた。そこで、もし会計処理がごちゃごちゃするなら、理事会から自治会への「贈与にしましょうよ。団地をきれいにしてくれて、建物管理者としても助かります、ってさ」と言葉を挟んだ。これは、おっ、という感じでウケたね。どう転ぶかわからないが、面白い話になると思った。

 もうひとつ、前回決定していた「メールを活用する」段になって、事務所のパソコンのウィルスソフトの保護レベルが低いのじゃないかと、昔の話をご存知の方が口を挟んだ。そうか、そういうことを調べてなかったなと思い、メールを導入したパソコンの達者に電話をして聞いた。たしかに当時は、ウィルスソフトを入れても、年々の更新が受け継がれるかどうかわからないというので、更新不要の一番安いのにした、という。どうしたらいいか。メールのやり取りくらいなら(たぶん)今のまんまでも構わないと思うが、USBのチェックまでしてくれるソフトにした方がいい。それほど高くないはずとスペックを紹介してくれた。2,980円/年。でも理事会はもう終わっている。そこで、メールで、「賛否を伺う」手に出た。いまのところ「より安全なら問題ない」とOKの返信が多いが、はてどこまで聞き届けてくれているか、わからない。

 こうして今、峠の上に立って、さらにまた向こうの尾根に上がるのを遠望しているところ。毎月一度は、峠を迎えるから、いい刺激にはなる。でも私の健康のためにやっているわけじゃないから、私が現役時代に遭遇しなかった領域の「世の中」を体験するつもりで、歩いて行かねばなるまい。

0 件のコメント:

コメントを投稿