2023年2月15日水曜日

人生の二歩目の一歩、おめでとうございます。

 今日、娘が五十歳になる。いつも誕生祝いのメッセージを贈る。こんな風に書いた。

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 昨日のSちゃんの高校合格の知らせ、とても嬉しかった。ちょうど佐野市の大平山をお母さんと一緒に登っているときでした。私の左手掌手術のリハビリが思わしくないと思った医師が、左手に力を入れたりする運動をすすめ、山登りも、ザイルを使うようなものでも、できるならば構いません。岩登りも良いと思います、と。話しているとまったく山登りに知識の無い医師でしたが、私にとっては、全面解禁の朗報となりました。以来、毎週ひと山登るというペースで、山へ行っています。お母さんは、付き添いです。

 2月の一週目は、コースタイム2時間半の奥武蔵の日和田山を4時間かけて歩きました。何とか歩き切れたという感触でした。翌日から腰が痛くなり、3日ほど尾を引きました。

 二週目は、お母さんは予定が入っていたので、私の単独行。佐野市北部にある寺久保山。何年か前に一度トライしたのですが、参照したガイドブックが古かったのか、コースはすっかり廃道になっていて四苦八苦しました。今回はそのリベンジ。廃道の脇にある新たに拓かれたルートをあるいて4時間半、のんびりと楽しんできました。

 そして昨日、第三週目、歩行時間4時間、15km、行動時間4時間35分を歩き通しました。その途中に、あなたからの嬉しい知らせを貰ったわけです。大平山神社には他にもいくつかの社があって、その中に「天満宮文章學社」という名の、菅原道真を祀ったものがあり、お母さんは感謝のお賽銭を差し上げて柏手を叩いていました。

 あなたにとっても本当に嬉しい合格祝いでしたね。Sちゃんもよく頑張った。勉強ばかりでなく、バスケットも高校から声がかかるほどの力を付けたというのが素敵です。母の力は偉大です。おめでとう。

 思えば、五十歳。早かったなあ。あなたがもう、人生の折り返し地点。私たちが年をとるわけです。

 知命……天命を知るという。私の場合、それは何かと考えた覚えがあります。ここまでの人生を振り返って,何をしてきたか。それが天命なのだと思いました。つまり、五十歳までは無我夢中で生きてきたけれども、これからは、その自分の歩いた道を一つひとつ振り返って、その意味を問い返してみるときがきたと思ったわけです。

 すると、わが身に染み付いている感性や感覚、好みや考え方、ほとんど無意識にしていている振る舞いやクセなどが、良いことも悪いことも皆、わが身が受け継いできた人類史の堆積だと思うようになりました。言葉もどれ一つ自分のものというのは、ありません。皆受け継ぎ、受け渡してきたもの。外の世界に対する不思議や興味関心が、実は自分自身に対しても同じように向けられる。わが身を人類史が通過していっている。ああ、これが天命なのだと思ったのです。

 その中に現れてきた得意技を活かして、これからの残る人生を生きていくんだな。そう考えると、まず、ここまでのさまざまな幸運に感謝する心持ちが湧いてきました。これまでのあなたの幸運は、私たち親の幸運でもあります。いろんな凸凹はあったでしょうが、3人の子どもたちも順調に育っているのは、あなたとあなたを取り囲む人たちに恵まれ、それぞれの人たちの幸運が積み重なってあなたの人生に現れている。そんな感じがしているのです。

 後半生のあなたがどのように生きていくのか。人類史の二歩目の一歩と考えるとオモシロイなあと思います。私にはもう、あなたのその姿をみることは限られていますが、元気に、ここまでの幸運を感謝することによって惹き寄せ、味方につけて乗り越えていって下さい。前途洋々というのは、これからのあなたの人生に向けられた言葉のように響きます。

 後半生の出発、おめでとうございます。 父・母 *

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