2020年8月12日水曜日

賑わいの沢歩き

 昨日(8/11)の炎暑の中、棒ノ折山に行った。奥武蔵の有間湖近くのさわらびの湯に車を止め、白谷沢を目指す。山の緑が鮮やかに感じられるほどくっきりしている。熱い陽ざしを浴びて歩き始めたのは、8時ころ。ダムの堰堤が止めてできた有間湖の水量は少なくはない。7月に降り続いた雨が雨こまれているのであろう。湖岸の空き地に何台もの車が止まっている。沢だけを登って往復する人たちは、ここに車を止めておくこともできるそうだ。ただ、それほど空きが多くはない。

 白谷沢橋を渡ると、センニンソウが白い花をつけている。つる植物だと帰宅してから教わった。その脇を通ってすぐに、山中に踏み込む。標識は「棒の嶺」と山頂のことを記している。

 

 口唇様の花をつけたしっかりした細い葉が目についた。あとで聞いてみるとハグロソウではないかという。「山に咲く花」(山と渓谷社)で引いてみると、「山地の木陰に咲く多年草」とある。花期は9~10月とあったが、近年の暑さで早まっていても不思議ではない。

 白谷沢の流れを日取り下にみながら、足場のしっかりしている杉林に囲まれた登山道を緩やかに登っていく。やがて沢沿いに出る。前に小学一年生くらいの子ども連れの父子が慣れた気配で、沢を歩いている。二人とも軽装。父親は沢歩きになれた様子だ。若い人も、中高年も、後から来て追い越してゆく。先頭のkwrさんはいつものペースだから、コースタイムでのぼっている。だが、後から来る人たちは、ペースが速い。若い人はそのペースで登るのだろうが、中高年は、途中で休んでいて、私たちが先行する。結局、山頂には私たちが先に着く様な調子であった。つまり、山歩きになれていない人たちに見える。でも、涼しい沢歩きのせいか、ずいぶんたくさんの人が入山している。

 そうか、昨日が「山の日」だった。岩茸石から先は、別のルートから登ってきた人たちが合流して、登山者数がもっと増えた。棒の嶺の山頂を目指す。

「ここで待っている」と、途中のゴンジリ(権次入)峠で同行者に声をかけている女性グループもある。コースが変化に富み、人気の山なのだ。

 ゴンジリ峠から山頂まではほんの20分ほどの急登。樹林の間を歩くから、陽ざしを受けない。東屋が建つ山頂は、しかし、強い陽ざしを受けて、皆さん日陰の木立に隠れている。マスクを着けたままの親子4人連れもいて、たいへんだなあと思う。私たちもほかの方々も、マスクはしていない。北の有間湖を挟んで有間山や蕨山から河又(さわらびの湯)へ下る稜線が一望できる。名栗の観音様も緑の木々の間に顔をみせている。

 一休みするが、まだ11時とあって、昼にはしない。20分ほどの休憩を取り、下山にかかる。「やっぱり下山は早くなる」とkwrさんは調子がいい。急斜面は、木の根を踏んであちこちに踏み跡が広がっている。登ってくる人が絶えないが、煩わしくない。若い人が一人、追い越して下って行った。

 再び岩茸石まで下り、そこから河又への稜線沿いのルートをたどる。その途中で麓の正午のチャイムが聞こえてきて、「そろそろお昼にしようか」とシートを敷いて座る。風が通って涼しい。このルートに入ってからは、一人も行き交う人がいない。登山者の多いルートと静かなルートに分かれているみたいだ。

  この先の稜線歩きは、落葉広葉樹の林とよく手入れのされたスギの林を辿る。傾斜もそれほど急ではなく、よく踏まれていて歩きやすい。やがて車のエンジン音が聞こえるようになり、標高差も150メートルほどか。ときどき木々の間から河又の建物が見える。子どもたちのはしゃぐ声が聞こえるようになると、河原が見える。名栗川の河原がこんなに広いとは思わなかった。たくさんの親子が水に浸かって遊んでいる。こちらは汗が噴き出すようになった。

 下界に降りた。河又の入口の橋が見える。こちらはショートカットして、さわらびの湯の駐車場への舗装路を上る。これが急にきつい傾斜に思えて、脚が重くなる。到着。13時7分。歩き始めてから5時間8分。コースタイムで5時間10分のところを、山頂やお昼でそれぞれ20分の休憩を取りながら、ほぼコースタイムで歩いている。やっぱり喜寿高齢者としては元気といわねばならない。ありがたいことだ。

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