運転免許証の更新のために「認知機能検査」を受けてきた。75歳の時に初めて受け、今回は二度目。16個の絵を憶えて、数字をいじる作業をしたのちにどれだけ覚えているか書きだす。前回は12個しか思い出せず、ヒントをもらって16個全部を思い出すというボケぶり。今回は、それぞれ1個ずつボケがすすみ、11個と15個であった。なるほど、3年で1個。これが早いのか、遅いのかはわからない。いずれにせよ、運転免許には支障がないと「通知書」をもらいはしたが、わが身の壊れ行く度合いが見えてきて、ちょっと身が引き締まる思いがした。
前回と違うのは、運転実技試験と認知機能検査が切り離されたこと。前回は両方が一緒であった。認知機能検査を受けたのちにすぐ実技検査を受けられるように、自動車学校に私が申し込み、受診日時を受け取って、足を運んだ。今回は、隣の市の警察署。裡から7kmほどある。車では来るなというし、電車に乗るのはちょっと心配であったから、自転車で行くことにした。古い町とあって、道は入り組んでいてわかりにくい。2日前に一度自転車で行ってルートを確かめた。にもかかわらず、今朝も道を間違え、ちょっと通り越して、埼京線の方まで行ってしまった。おや、これはヘンだと気づいて、おおよその方角へ修正してすすみ、途中で人に聞いた。40年配の男の方は、親切にもスマホを出してくるくるとスマホの向きを変えて地図を読み取り、次の信号を左折、セブンイレブンのところを右折、その先の右の方にあると、警察署の場所を教えてくれた。私が、自分のスマホでそれをやればいいのであろうが、長年のデジタル育ち。「ありがとう」とお礼を言って、辿りついた。
集合時刻には30分も早いよと思っていたが、警察署の入口にはすでに担当者が立ち、案内葉書を提示させ、名簿と照らして通過の番号札を首にかけさせ、中へ招じ入れる。手を消毒し、熱を測る。すでに5人ほどがお喋りしながら、待機している。そういうこともあろうかと、待合室の外の椅子に腰かけて、本を取り出して読む。12人が予定されていたのであろうか。うち二人は欠席。指定された座席で、筆記具と水だけを置いて、時計は仕舞うよう注意を受け、定刻まで待つ。職員は二人。問題の説明や回答の指示をするのが一人、もう一人用紙の配布や回収を手伝うのが一人。
定刻少し過ぎてから「検査」開始。青色の「(問題)カード」と片面だけに印刷された「(回答)用紙」を受取る。どちらも指示に従って、開ける。
まず、氏名と生年月日を記入する。
年月日、曜日、現在の推定時刻を記入する。
次に、4つの絵を描いた大きなカードを4枚、「覚えてください」と言って一枚ずつ見せる。
大砲、オルガン、耳、ラジオ、テントウ虫、オートバイ、タケノコ、フライパン、ものさし、ライオン、ペンチ、ベッド、バラ、ブドウ、う~んあと二つ、***、***を忘れてしまった(検査を受けてから8時間以上経つ)。
そのあと、ランダムに書かれた数字を、指示したものを消していく作業を、三回行う。2個消し、2個消し、3個消す。
そうしておいて、先ほど覚えた16個を全部書き出す。
それが終わってから、今度はヒントをみながら書きだす。
最後に、白紙に時計の数字を入れたのを描き、8時20分に針を描きたす。
以上であった。どういう配点をしているのか知らないが、点数をつけた「結果通知書」をもらい、これをもって免許証の更新手続きに入る。それも、免許更新日の40日前ころ公安委員会から「案内通知」が来るという。何処其処で、講習を受け、実技講習を受けなさいというのだそうだ。これも3年前と違うから、その都合に合わせなければならない。遠方だといやだなあと思うが、どれだけの人数をどういうふうに更新処理しているかわからないから、文句のつけようもない。
思えば、ボケの管理までやってくれるというわけだ。社会全体の安全確保のためを思えば、年寄りをそのように扱うのも致し方ないかもしれない。私自身の個人管理としては、3年にひとつボケがすすむとすると、あと何年免許更新が面倒なくできるだろうかと、気にしている。それとも、次の3年の間に、自動運転車が完成域に近づいて、「自動運転車限定」という限定免許が発行されるかもしれないのなら、私のボケ進行の気遣いは無用となる。さあ、どちらが早いか。
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