2020年9月29日火曜日

運転免許更新の元気と変化

 昨日(9/28)に、運転免許更新のための「高齢者講習」を受けた。道路交通法の改正点、交通事故のケースや高齢者の何がモンダイかを自覚してよというお話の後に、視力の検査と短時間の運転実習があった。視力検査で、静止視力「0・7」、動体視力「0・5」と判定。静止視力が3年前は「1・0」であったのに、悪くなった。パソコンの見過ぎか。動体視力が「0・5」というのが前回より良いのか悪くなったのかわからないが、判定では「30~59歳平均と同じ。78歳前としては優秀」とあった。年齢による衰えの平均的な数値と比較してみているようだ。


 自動車教習所にはたくさんの若い人たちが免許取得のために来ている。路上教習に乗り出す人たちも少なからずいる。中には、教官が同乗していないのに一人で乗り回している車が何台もある。ひょっとすると、ここにきてコロナウィルスのせいで、運転をはじめようという人の練習場になっているのかもしれない。

 皆さんマスクをしている。部屋の入り口には消毒薬、実習車のドア、ハンドルなどを、一回一回殺菌のため拭いている。ご苦労なことだ。

 教習所の教官というのが、皆さん丁寧になった。昔のように威張り散らし、気に食わないと蹴とばすようなものの言い方をする人など、探してもいそうにない。私たち年寄りにも、なんとも丁寧な応対をする。ちょうど「秋の全国交通安全運動」の期間中、埼玉県警の重点項目を話し、どの点に気を付けていないと罰則が適用になると、秘密を漏らすように話す。近々、法改正もあって、高齢者の違反後の措置が厳しくなるともいう。罰金を払えば済むというわけではなく、運転実習も付け加わるそうだ。できるだけ厳しくして、年寄りに免許を返納させたいという方針でもあるのだろうか(返納とか、返上とか、これもなんだか妙な「お上言葉」だな)。


 70歳以上の高齢者10人が一緒に講習を受けたが、3年前の講習のときとは、様子が違う。皆さん若い。よぼよぼしている人がいない。「認知機能検査」を事前に済ませているから、そちらで問題があった人たちは、今日は別の講習に廻されているのだろう。3年前には、私と同じ75歳というのに、階段の上り下りに手すりにつかまり、ひと段ずつ脚をそろえながらすすむ人もいて、そうか、こういう人は車が頼りだろうなあと、いたく同情を誘った。でも今日の人たちは、皆さん私より若く見え、動きもそれなりにしゃかしゃかとしていた。


 講習を受けている自分を振り返ってみると、3年前よりはずいぶんと素直に話を聞くようになったとわがことながら、思った。前回も前々回も、何言ってやがんでえ、お説教はいいから話をすすめろよと、少し斜に構えて2時間ほどを過ごした。交通法規の改正点なども、ふんという調子で、読みもしなかった。だが今回は、大要はつかむ。注意点は、これとこれだな。わが身の衰えている点は、こことここかと、一つひとつ講師の話を腑に落としていた。どうしてこんなに素直になっちゃんたんだと、思い返して想う。

 たぶん、今日これから、250キロほどを運転して、福島県の檜枝岐村の方へ出かける。身近にどういう運転する予定が入っているから、取り締まりの注意点を聴くように、耳を傾けたのかしら。ゲンキンなものだ。

 もう一つ思い当たることがある。前回はこの人は私と同じ年なのかというような人が、沢山とは言わないが、それなりにいた。私はそんな年寄りではないぞ。運転だって、教官によく馴れていますね、と言われる程度の乗り回し方をした。つまり、肩肘張っていたわけだ。ところが3年経ってみると、バックで駐車するときに、一発で横の駐車ラインに平行に止まらなくなった。アクセルとブレーキを踏み間違えるような間違いは起しそうもないが、うっかり交通標識を見落とすようなこともあるかもしれないと、思うことがある。そういうこともあって、謙虚になっている。

 あと3年。なんとかそれまでに、自動運転の第4ステージの車が実用化できるように頑張ってほしい。そうなれば、「自動運転車限定」であっても、それに乗って、山へ出かけることができる。

 な~んて考えていたら、「寿命があればよ。頑張って」と、横合いから差し出口が挟まれた。

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