一昨日(3/24)田島ヶ原に車をおいて、北の端ピクニックの森まで往復してきた。田島ヶ原自生地のサクラソウは、見事に花開いている。これから2週間ばかりは見ごろだろう。ノウルシも黄色い頭をもたげて蔓延る。アマナはもう消え入りそうな姿になっている。シロバナタンポポばかりか黄色のカントウタンポポが元気がいい。学生風の若い人が自生地の中にしゃがみこんで、何かを吊り除いている。
「?……、ノウルシを採ってるの?」
「ええ、実験ですから、一部だけ取り払ってます」
サクラソウにどういう影響を与えるか見ているのだそうだ。ノウルシが蔓延るとサクラソウが負けてしまう。でも、ノウルシを採ってしまうと、ほかの植物も少なくなってしまうこともあるという。ノウルシは絶滅危惧種。サクラソウも絶滅危惧種。だからどちらも上手に育てたいという。農大の学生さんのボランティア実験だと、後で聞いた。
自生地の案内ボランティアの人たちが二十人近くも集まって、主宰者の話を聴いている。今年のボランティアはじめだそうだ。
傍らの広い芝地では、子どもたちがボールゲームに興じ、小さな子を連れたママたちが敷物を敷いて、ピクニックを愉しむようだ。帰るときにはテントが7張りもあった。緊急事態宣言の明けた公園の風情だ。
自生地脇の鴨川は中州が見えないくらい水が溢れている。東京湾が満潮だからだと、これも後で聞いた。ヨシガモが2組、オオバンが何羽か、ぷかりぷかりと浮いている。
長袖一枚で十分だった。子どもの森の辺りでカメラマンが屯している。脇へ寄って、皆さんが見ている方をみると、小さな水飲み場が設えてある。そこにヒレンジャクが1羽きている。覗いているとシメが来る。それを押しのけるようにもう1羽のシメが来る。3羽が入れ代わり立ち代わり水場を争っている。
さかさかと北へとすすむ。背の高い木に小鳥が飛び交う。こちらに一人、向こうの草地にも二人、入り込んでカメラを向けている人もいる。カメラの方向へ双眼鏡を向ける。黄色い腹が陽ざしに生える。マヒワだ。3羽だろうか、それとも4羽だろうか。その先には、カワラヒワ2羽、ツグミ1羽が草地に降りて何かを啄ばんでいる。森の木立からカケスの声が聞こえる。茂みからウグイスの警戒音がする。鳥たちもぼちぼちペアリングの季節に入ったのかもしれない。
いやもう、鳥に関して今日は、大満足。テニスコートを過ぎて流れを遮るための土手を越える。向こうの幸福の森の草地にはなん張りものテントが張られて子ども連れがピクニックを愉しんでいる。竹林にも双眼鏡を覗いて何かをみている人がいるが、それが何かわからない。畑を過ぎ、水路を渡り、浦和レッズの練習場脇を通る。広い野球グラウンドで何人かの大人が空に向けて何かを放ち、その行方を見上げている。近くの通りへ進路を変えて、何をしているのか見つめる。紙飛行機をゴムの発射具を使って上空へ向けて放ち、それがくるりと回ってゆっくりと旋回しながら風下へと飛ぶのを見上げているのだ。だが、白い紙飛行機は放たれるとたちまち青空に溶け込んで姿を消してしまう。滞空時間が1分を超えるのがある。
ピクニックの森は鳥の声が響く。シジュウカラやメジロ、コゲラはわかる。何とも賑やかなのはガビチョウだろう。森の中路を通って、ぬうっと現れるウォッチャーもいて驚かされる。池は亀が甲羅干しをしているほかは静かだ。森の西側にはカメラマンのひと塊がいた。レンジャクが来るのを待っているらしい。
そこから秋ヶ瀬公園の一番西側の道を南へ戻る。車道との間に連なる灌木と木立を左に、右手に繁みと木立と目下築工事中の大きな土手をみながら歩いて行く。さながら、秋ヶ瀬公園の傍観者という立ち位置だなと思う。おっ、目の前の茂みに小鳥が止まった。双眼鏡で覗く。おっ、おつ、ホオアカではないか。ほおの赤色が色濃くて、ちょっと茶黒っぽく見える。しばらくお立ち台に立つようにじっとしていた。鳥観は大満足が二乗になった。
結局、2時間半ほど歩いたことになった。汗もかかない。自粛明けの解放感に浸る秋ヶ瀬公園であった。
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