2022年9月3日土曜日

濃厚接触者の現在地

 1年前(2021-09-02)の記事、「デジタルとアナログの陥穽」を読んだ後に、これを記している。じつは、コロナウィルスの濃厚接触者になった。そう分かったのは、月曜日。金曜日、土曜日と遠方から孫が遊びに来ていた。高校生と中学生、それに別の街からの孫従兄弟の大学生。2泊して帰った。面白いことに、小さい頃にはあれほどはしゃいでいた彼らも、軽~くおしゃべりした後は、スマホを観たり、TVを観たり、やり残した宿題をやったりとさして喋りもせず、時間を過ごす。これが、従兄弟なんだとこちらは感心する。

 帰った翌日、中学生の孫が熱を出した。PCR検査をしたら陽性であったと息子から知らせがあった。おいおい、どうしたもんだろうと、ネットを調べる。さいたま市は無料PCR検査しますと、何カ所もの病院、何カ所もの薬局などの検査受付所がある。

 早速、一番近くの病院へ電話をした。「うちは妊婦さんにしかやっていません」と、その産婦人科医院は返答して、その百㍍先のクリニックを紹介してくれる。そこへ電話をする。「熱はありますか? 喉が痛いなどはどうですか?」と聞くから、いや、それは全くないのだがと応えると、「症状が出たら電話を下さい」ととりつく島もない。

「WEB対応」とあるチェーン薬局へアクセスする。何カ所か拾うが、「いまは受け付けていません」と表示が出るだけ。にべもない。電話受付しかしていないチェーン薬局へ電話をする。「申し訳ありません。検査キットが足りなくて、受け付けることができません」と丁寧な断り。WEBもこういう風に説明的に断ればいいのに、と思う。

 そうだ、県のPCR検査センターというのがあったなと思い出し、浦和駅前PCR検査センターに電話をする。何度かお話し中であったが、何とかかかった。こちらは丁寧に、いつお孫さんは来ていつ帰ったか、いつ発熱したかと聞き、「濃厚接触者ですね」と私たちの現在地を告げた。

 症状はあるか。無い。

「では、発熱や喉の痛みなどがあればご近所のクリニックに電話をしてから行ってください。金曜日までそういう症状がなければ、普通に外出して結構です」

 と先の見通しを含めて応対してくれた。私たちの年齢も聞かない。持病などもまだ訊ねる段階でないって感じであった。

 なんだ、これだけなんだ。自宅隔離だとか生活用品のアシストとかメディアでは聞いていたが、それは、もっと先の事態になってからのようだ。でもこの先の事態ってのは、症状が出たり、重症化してからのことじゃないか。そうか、こうやって見放されているのか。ま、自助ってのはそんなものかもしれない。そういうことが、よくわかったデキゴトであった。

 もちろんマスクをしてであるが、買い物に行った。図書館へ本を返しにも行った。そして金曜日、なんともないことを確認して、今日から法事にゆく遠方への切符を(往復9㌔ほどを歩いて)買いに行った。その発行した切符の日付が間違っていることに気づいて、再び雨の中、浦和駅のみどりの窓口まで往復する羽目にもなった。その後、ご近所の「男のストレッチ」をやってきたから、すこぶる元気と言えようか。息子家族も、娘以外発熱などの症状は出ていないという。

 それにしても、検査キットがないから受付ができないとは、どういうことか。TVで発表している感染者数というのは、ごくごく少数の検査を受けた人だけで、私たちが(検査を受ける機会もなく)こうであったということは、たぶん、同じような人がわんさといるに違いない。そういう人が、ふつうにスーパーや図書館に出入りしているとも考えられる。これじゃあ、wuth-コロナなんてしゃれる必要もないほど、コロナウィルスはふだんの暮らしに溶け込んでいる。4回接種したワクチンも、それなりに効いたのかもしれない。三密とマスク。地方にウィルスをばら撒くのは御法度だが、緩い日本社会をこれほど好ましく思ったことはない。ではこれから、行ってきます。

 そういうわけで、7日までお休み。また、お会いしましょう。

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