2020年6月17日水曜日
都知事選の争点
都知事選の立候補者がおおむね出そろったようだ。
小池都知事は、予想通り、選挙向けにウィルスコロナ対策を行ってきたことを披歴しているように思う。要するに、懸命に都民の健康と経済の復興を考えて、バランスを取りながら取り組んできました。うまくいっていないとすれば、ウィルスが悪いか、夜の繁華街で遊ぶ人たちが誤魔化しをしてきているからだと、ちゃんと犠牲の羊を看板に出している。それに付け加えて、4年前立候補のときの公約が果たされていないことについては、それをあとの4年間で達成していきたいと、反省もなく、肯定している。
そういう言葉の詐術を、どこまで実際の展開と較べて、「不実」を感じとるかどうかが、たぶん、選挙戦にかかっていると思う。それが「争点」だ。
小池都知事が、何処の党の推薦も受けず「無党派色」で出馬することから、共産党や立憲民主党が推薦する宇都宮健児の「対立軸」は霞む。政策論争も、今のところはっきり出ていない。
ところが、山本太郎が飛び出したことで、にわかに「対立軸」が明快になりつつある。
「オリンピック、パラリンピックの中止」だ。オリパラのつきまとわせてきた国際的な利権関係の面妖なモンダイを「争点」にするとしたら、これも面白い。都知事が、オリパラを中止する権限を持っているわけではないだろうが、東京都民が「オリパラ中止」を掲げる知事を選んだとなると、IOCとの費用負担の交渉にも影響する。
コロナ対策でも、山本は「思いつき」を臆せず披歴して、都民の関心を誘う。都民全員に十万円支給と。面白い。つまり小池とは、「不実」を争点として争う構えと、私はみた。
下馬評に上っているのにはホリエモンもいる。残念ながら、一昨日のロケットがうまく打ちあがっていれば、即座に立候補を表明したのであろうが、エンジンの不調で目標の高さには達しなかった。彼自身は、小池に対して何がしかの「対立軸」を提出するほどの活動エリアを持っているわけではないが、率直で「不実」でないことだけは取り柄。出馬すれば、山本と小池双方の票を食うだろうが、人気投票という域を出ない。
さあ、そういうわけで、都知事選の争点は「不実」を争う。
ん? 争う? と思うかもしれない。
そうなんですよ。どちらがより「不実」かを争う。もちろん「不実」の支持を得た方が都知事になれない。そういう「争点」も面白いのではないか。
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