2020年6月22日月曜日
かたちは平常に戻る
昨日は夏至。一年で一番昼間が長い日であったが、あいにくの曇り空。午後5時の日食も、関東地方では見ることができなかった。そして今日は、朝から一日の雨。いかにも梅雨らしい天気になったが、午后2時半に「防災放送」があって、2月末以来、久々に「日常」が戻ってきたと思った。
「地域の皆様、いつも私たちの学校帰りを見守って下さり、ありがとうございます。今日もよろしくお願いします」という小学生の声が響き渡り、そういえばこの4カ月は、まったく放送がなかったり、午前11時半ころと午后4時半ころの2回だったりしたと、振り返って想い起した。小学生の登下校がなかったり、一日2回の分散登校だったりしたものが、今日から平常に戻った。それを夏至を境にするなんて、なかなか味なことをやるじゃないか。
午前中、雨の中を医者に行く。つくってもらった歯の噛み合わせがうまくいかず、調整してもらうため。ついでに、切れる血圧の薬をもらうためだったが、通りを歩く人の姿もそれなりに多く、勤めに急ぐ気配が、歩く速さに現れて、私を追い越した女の人がどんどん引き離していってしまう。マスクをしていない人も三分の一くらいすれ違う。
交差点で立ち止まる人が、なんとなく遠慮なしに近づいてくる。気づいた私が、距離を取ろうと離れる。
薬をもらうだけの病院も、コロナウィルス禍の「自粛」期間中とは異なり、わんさといる。ただ、座席に座り切れないというか、少しずつ間合いを取って座り、何人かは立ったままで離れている。むろんマスクはしている。
銀行の駐車場も人の出入りも、駅への向かう人の数もふだんに戻ったようだ。さすがに、午前中とあって、DVDやCDのレンタルショップはまだお客が入っていなかったが、気配が違う。平生が戻ってきたという安堵が漂うようであった。
戻ってくるとき、同じ団地の顔見知りの高齢者に、久々に出逢った。この方、大腸がんの手術をして以来、めっきり体重が落ち、歩くのも杖をつくようになって、顔を合わせることが少なくなっていた。奥方も病んでいると聞いていたが、ことにコロナウィルス騒ぎがはじまってからは、ゴミを捨てるのも、日ごろの買い物にも「介助」が入っているようであった。
傘を差し、杖を突いて向こうから緩い坂道を上がって来る。
「やあ、久しぶり」
「ご無沙汰しています。お元気そうですね」
「いやこうして歩けるってのは、いいですね」
「そうですね。……お元気で」
後から、六十代と思われる介助者らしき男の方が、やはりゆっくり歩いてついてきている。
今年も後半戦に入った。そう思った。
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