2021年5月13日木曜日

ご報告(第13回) 集中が招き寄せる危険

 肩が張って寝られないという私の訴えに関して、理学療法士の一言が、効果を発揮した。

「パソコンやスマホをつかっていると首や肩が凝るってことありますよ」

 それで、その日の午後はパソコンをやめた。

 その夜は、断続的であったが、合計すると7時間半くらい眠った。眠ったという実感が、起きたときにあった。頸椎に起因する神経叢の傷みというよりは、パソコンに取付きすぎ。バカだなあ。そんなに凝るなよと、もう一人の自分が嗤う。

 そう言えば、思い当たることがある。何かをしていると、ほかのことを忘れてしまうクセがある。車の運転の時も、助手席の友人と話しをしていて、高速の出口を通り過ぎたことが2度ほどあった。

 集中力があるというのは褒めことばだが、果たしてそうか。

 ヒトの初め頃のことをイメージしてみると、集中するというのは、危険なことだったはずだ。小動物たちが餌を食べているとき、きょろきょろと辺りを見回している。集団で暮らし、身の安全が確保できるようになって、きょろきょろがなくなり、ものごとの実務的な遂行が大切になって、集中力が評価を受けるようになった、と思える。まして、他のことを忘れるような集中の仕方は、周りが目に入らない自己中になってしまう。

 集中力は、ヒトのクセの基本ではない。そう思った。

 年を取って、根を詰めて何かに集中するという時の過ごし方は、似つかわしくないぞと諭されたようだ。腱板断裂かというMRIの結果はまだ出ていないが、自覚症状としては、すでにクリアしたかなと思うほど、痛みは改善した。

 リハビリの効果は、自覚症状としては一時の恢復感覚をもたらしている。体が軽くなる。部屋をうろうろと歩いていたころと比べ、さかさかと足が運べている。だが一進一退。鉄道のスウィッチバックと同じだ。前へ進行していることはわかるが、遅々として、効果はわずかである。

 ひとつの病名について、リハビリの持続期間は(たぶん法的な枠組みとして)180日と決められているそうだ。その間、ここに通うことはできないし、ずうっと入院していることもできない。どう退院するか、転院するか。近いうちにそれがモンダイとなる。

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