2021年5月8日土曜日

ご報告(第8回)食事

 入院当日の朝は、食欲もありませんでした。手の動かない私の怪我をみて、スタッフが納豆をといてご飯にのせてくれるまでしたのですが、汁物だけ頂戴し、返しました。食欲もありません。お昼もだいたいそうでしたので、スタッフが「お粥にしましょうか」と声をかけてくれ、以来お粥です。

 病院食です。少量5品、1400kcal(たぶん一日)。お粥、みそ汁、お浸し、野菜煮など、魚か肉、フルーツかヨーグルトなどのデザートです。味噌汁も半量、お粥は全粥。塩分6g未満。薄塩です。家でなら5分で済んでしまいそう。

 手が不自由なので、私は木のスプーンを使ってギッチョで食べます。小さく刻んだ大根や人参の切れ端をひとつずつ掬って口に運ぶ。そうすると、薄味がなかなか微妙な味わいを持っていることが感じられます。サラダにも湯通しした野菜がつかわれています。何で味をつけたのかと思う。そうか、ふだん私はほとんどカロリー補給くらいにしか考えていないんじゃないか。料理してくれた人に申し訳ない食べ方をしていると思ったのです。

 時間がかかる。よく噛んでゆっくりねとmふだんカミサンに言われたが、どうやったらゆっくり食べられるだろうと時間を計ったみました。12分から17分。たぶんそれでも(量が少ないから)、普段の3倍は掛けているか。

 細かいことをみていない。そう思いました。そうして78年も生きてきた。と思ったとたん、バチバチとコロナウィルスが弾けるように、私の身につけて来たいろいろなことが、ほとんど無意識の為せる自然(じねん)のようにかたちづくられ、ここに至ったと感じたのでした。

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