2021年10月27日水曜日

見事な紅葉の奥日光

 奥日光二日目の早朝は雨だったと昨日記した。宿を出る時にはしかし、日差しが差し込み、青空が見えるほどの晴れ。少しばかり泉源辺りを散歩して振り返ると、前白根山と外山にかかるスキー場の上部が、昨夜来の雪で真っ白に化粧している。それを背景にカラマツの黄葉とミズナラの、少し焦げ茶がかかった黄葉が奥行きを湛えて、見事に映えて輝く。

 曇り空に色落ちして悄げたような、昨日の黄色と違い、やはり黄葉は日差しによるねとカミサンは喜んでいる。光徳牧場にも立ち寄った。昨年小鳥が屯していたズミの辺りにカラ類が居るとカメラを構えている人が二人居たが、やはり今年は鳥影が少ない。

 光徳から中禅寺湖脇を抜けて車を走らせる。湖とカラマツやミズナラの黄葉とモミジの紅葉とがマッチすると美しいのだが、今年は後者が遅れている。中禅寺湖を挟んで男体山の対岸にある半月峠駐車場にまで車で上がれば、湖に突き出ている八丁出島が色づいて見えたろうにと後で思ったのだが、そういう紅葉を楽しむというセンスが、私に欠けていたものかもしれない。

 下りのいろは坂から見える山の色合いの見事さに、助手席のカミサンは声を上げて喜んでいたが、ま、こうして楽しんでもらえれば結構と、日光を案内する私は運転に集中する。

 日光植物園に入る。一週間前に撮影した20種の秋の花の写真を掲載した「見頃植物」のチラシを手渡し、「これも、もう一週間で縮こまってしまって」と受付の方は済まなそうに言う。まるで、花々の監督不行届をわびているようで可笑しかった。ここでも秋の進行は平年に較べて遅かったようだ。でも、枯れる草木は枯れ、切り払ったところはずいぶんとすっきりとほかの植物を見せていて、池に生える菖蒲の仲間がたくさんあるのだなあと、名前書きを見ながら感心した。忘れな草が青色の花をつけて一群れをつくり、静かな水面を飾っている。

「いつもはカワガラスが居るんだが・・・」と見降ろした浅い石畳を流れる小沢に、いたっ、カワガラス。お出ましって感じ、と見ていたら横合いからもう一羽が視界に飛び込んできて、沢の先の方へ飛び去っていった。いやいや、二匹目のドジョウっているんだと、喜ぶ。

 2時間近く植物園を散策し、古河鉱業の近くにある中華料理店「幸楽」に行く。夏にも立ち寄った。コロナで密を避けるためだろうが、電話で注文し、受け取りに来る客が多かったせいか、お昼時、いつもなら外の駐車場で待たされるはずなのに、客席が空いている。レバニラ炒め定食を注文する。小切りにしたレバーを油で揚げてニラを少しばかり絡めて大量に盛り付けている。食べ残すと、包んでくれる。また正月に通るから寄ろうかとみたら「定休:水曜日」。暦を見ると通りかかる正月5日がちょうど水曜日。尋ねると「12月下旬にならないとわからない」という。古川鉱業の操業予定と絡んでいるからだろうと私は思うが、どんなものか。

 高速は空いていた。急ぐでもなくのんびりと走って帰宅。埼玉の午後は風雨が強く荒れると予報にあったが、意外にも晴れ渡り、風もない。コロナ明けのような、感染者数も、埼玉県は一桁。落ち着いた旅日和であった。

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