午前中歩きに出て、その帰りにカミサンに頼まれたいた買い物をして帰るといいと思って家を出た。だが、歩いている途中で洗濯物を干すのを忘れていることに気づいて引き返す。再び歩きに出る意欲が挫かれてしまった。お昼を済ませてから出かけることにした。
午後、行ったことのないルートへ踏み出す。今日は、見沼田んぼを渡った先にある、武蔵野線の隣の駅まで行ってみよう。見沼の通船堀を抜けて川口市の東北部へ踏み込む。高台の住宅地は花木の養生をしていたあとが残る。一軒一軒が大きく、門構えが残っていたりする。だが台地を下っていくと密集した戸建て住宅地になる。こちらの古さをみると、東浦和地区よりも東川口の方が、駅から離れていても、古い時期から住宅地として開発されたのだと思う。
武蔵野線の線路からそう外れないように進路をとる。すると、いつも歩いている見沼田んぼの西縁沿いのルートが、ほんの何十メートルか向こうにあることがわかる。とうとう線路に沿う。と、一度見沼田んぼに出るようになった。すぐに線路に沿って、ふたたび住宅地に入る。道が上ったり下ったり凸凹になっているのは、南へ来るほどササラ状になる大宮台地の特徴を、まだ、残しているからだ。
武蔵野線の南浦和から東浦和までの距離がありすぎるというので、中間点に駅を作ろうという動きが、何十年か前にあったと聞いた。両駅間の距離は3㌔ちょっと。だが、東浦和と東川口のあいだは、、もっと距離がある。見沼田んぼ部分の1㌔が余計にくっついて4㌔になっている感じだ。
ここは、はじめて歩く。ずうっと線路沿いに歩けるわけではない。なにしろ、東北高速道が武蔵野線と直角に交わり、その側道のように川口から岩槻へ抜ける交通量の多い一般道が走る。歩くときそれを横切るところがあるか、探すようになる。線路からそう離れずに、それらの道の地下をくぐる車道があった。入口の所に「水没危険地区」と表示され、雨が多い時には侵入する前に気を付けてとかいてある。結構車の通りは多い。歩いていて後からはねられないように気をつけなければならなかった。
地下道から上に上がると、一挙に開発中の地区の気配が濃くなる。駅が近くなったのだ。この東川口駅を南北に通る埼玉高速線は、ほんの20年前に開業したもの。この駅の北側には、浦和レッズの本拠地・埼玉スタジアムがあり、埼玉高速鉄道の終点・浦和美園駅がある。周辺は田圃や.畑ばかりであった。地価が高騰し、広い道路がつくられ、田や畑の持ち主が亡くなって相続に伴って売り払われ、大型の店舗が進出し、街づくりが目下進行中である。東川口駅は2線の交差することもあって、やはり開発が行われてきた。駅周りは、おっと驚くほどモダンな設えになり、新興住宅街が緩やかに広がってきた。古い川口の住宅街と新興地との端境が、今日歩いているルート上に出現しているのだ。
1時間半のつもりで家を出たが、東川口駅までにそれだけの時間がかかっている。ちょうど3時とあって、人影は混雑とは程遠い。さて、帰りは最短距離をとってみよう。距離と歩数を確認して、やはり線路沿いに戻る。見沼田んぼに出たところで、最短のルートをとる。調節地の脇を抜ける。どういうわけか、水面に鳥影が見えない。遠くに一羽ダイサギがいるだけ。先日いたコハクチョウ2羽もみえない。それどころか、オオバンやコガモ、カイツブリも全く姿を消している。何かあったのだろうか。
おおよそ50分で家に着いた。距離は4㌔、歩数は8000歩余。全部で12㌔、18000歩ほどであった。今日の散歩も、新しい土地を見た思いであった。
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