2021年2月17日水曜日

将門由来の城峰山

 今日(2/17)の好天、秩父皆野の城峰山へ行った。4時間ほどの行程だから、週1の足慣らし。家から1時間半ほどで登山口に着く。途中、皆野駅で、今日の同行者二人を車で拾う。走っていて気付いた。おや、ここは破風山の登山口ではないか。皆野アルプスという売り出し文句に誘われて、ここから登り、皆野駅に行ったことがあった。今日はさらに、その奥の集落へ向かう。

 門平高札場跡がある。江戸のころのお触れを掲げたところが、修復されて残されている。石組は当時のまんまなのだろうか。

 そこからほんの数百メートルで、登山口。ガードレールを取り付けた広い道路の脇に、車を停める広さがあった。歩き始める。9時4分。「関東ふれあいの道」と記した標識がある。先週歩いた秩父丸山にも、同じ表示があった。ということは、ずうっとひとつながりのルートが設定されているのだ。古びた大山神社が鳥居と石段を据えた上にある。これは、丹沢の大山神社と縁(えにし)があるのだろうか。帰りに時間があったら寄ってみよう。

 ルートはよく踏まれている。標識もしっかりとつけられ、迷うことはない。何度か舗装車道を横切る。先週の奥武蔵の山もそうであったが、樹木の切り出しもあるのだろうか、山をまたいで、縦横に車道がつくられている。山歩きには興を殺がれるが、暮らしに必要なのだろうから、仕方がない。どこまでも良く育った杉の林がつづいている。上りに上る。朝方の冷え込みはすっかり汗ばむほどに変わった。1時間余で鐘掛城跡1003mに着く。今日の主たる上りはこれで片づいた。「戦国時代の山城」の看板が立てられている。上杉勢を迎え撃つ重要な拠点の一つだったらしい。どうしてこんなところに、とykyさんが呟く。

 木の土留めをした階段を下って、稜線を歩く。まき道がある。「帰りはこちらを歩きましょう」とykyさんは言う。15分ほどで、石間峠。車道が横切っている。北の方から来て、城峰神社へ向かう舗装路だ。突っ切って城峰山に向かう。北側の斜面には雪が残っている。ここまでの足元にはその気配もなかった。落ち葉が散り敷いて歩きやすい。

 10分ほどで城峰山に着く。電波の送信塔がひと際立派だ。上に登る階段がある。展望台になっている。南に武甲山、南西に雲取山や和名倉山、奥秩父の山々が居並ぶが、その後ろの富士山や南アルプス、八ヶ岳は雲の中だ。明るし陽ざしが深い山を箱庭のように見せる。両神山の独特の山容が、小鹿野町がすぐ近くであることを示している。北の方には、湖が見える。神流湖だ。群馬県もすぐ先にある。

 下の方に神社が見える。そこまで行くのが今日の目的。北側斜面に入ると踏路が濡れている。雪が解けて間もないのだろう。ところどころにシモバシラが立つ。降っていく。「こんなに行っていいのかな」とykyさんが立ち止まる。上から見たときには、すぐ下にみえたのに、大きく回り込んでいるようなのだ。スマホのGPSをチェックする。大丈夫、行こ行こそすすむ。

 古い神社のようだ。平将門がこの地で討ち取られたと由緒書きがしてある。「日本武尊を鎮祭している」という祠もある。なんと平成16年の日付が入った石碑だが、なんだろうね、こちらの由緒書きは。狛犬はオオカミであった。苔むしたからだが貫録を示している。これは三峰神社などと同じで、秩父の狛犬は皆こうなっている。

 ここはキャンプ場もあるのが、イラスト掲示板で分かる。なるほど車道がここまで来ている。一人、男の人が私とは別の方から登ってきて、境内を横切り、社務所の方へさかさかと逝ってしまう。今日初めて山中であった方だ。

 引き返す。11時ちょうど。城峰山に戻り、「一等三角点のある山」という環境省の掲示板が目に留まる。なんでも埼玉県の山にある一等三角点は5つあり、その一つがここだと記している。その先の石間峠でお昼にしようと歩を進める。来るときに東屋があり、ベンチが設えられているのをみたのだ。だが、行ってみると、日陰になっていて寒そうだ。陽ざしの当たるところに陣取って、弁当を開く。西の風が吹いてきて、冷える。少し着こんで、20分ほどで出発する。mzdさんが先頭に立つ。

 上りにかかるところに、「まき道→」の表示がある。「そうそう、そちらよ」とykyさんが嬉しそうな声を出す。標高差で50mほどの上りを省略できる。ひとつ目の巻道を終えると、すぐにもう一つのまき道がある。鐘掛城跡の山体を巻くのだ。それが終わったところで、私はカメラがないことに気づいた。先ほど写して、ポシェットにしまったつもりだったのを、落としたのだ。先へ行っててと言って、引き返す。結局10分ほど、最初のまき道までもどって、落ち葉の上に落ちているカメラを見つけた。落ち葉のせいで音もしないし、壊れもしなかった。戻ってみると、二人は待っていた。ごめんごめんと謝り、下山路をすすむ。

 上りの急斜面も、下ってみると、歩きやすい道だ。舗装林道に出るともう登山口はすぐそこだ。大柳神社に来る。いいよ、行きましょうと声をかけて、ykyさんを促す。古くに組み合わされた石段を登り、本殿に向かってykyさんは手を合わせている。背中の方の歌舞伎舞台は、すっかり古びて、板敷が一部めくれている。秩父歌舞伎があったなあと思う。と同時に、登り口の門平って、平将門に因む地名なのではないかと思った。ひっくり返し「将」の字を抜いて世を欺くという、常套手段だ。そう考えると、面白いと思った。13時7分着。行動時間は4時間。お昼を除くと、3時間40分の歩行であった。

 順調に戻り、3時前に家に着いた。

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