2021年2月18日木曜日

遭難救助も思案して山行計画をたてるか

 昨日の山行記録に写真を貼り付けて山の会の人たちに送った。そのとき、同行してくれたykyさんから歩きながら聞いた話しが、思い浮かんだ。彼女は同行させてもらってと、たいへんに恐縮していたから、いやいやそんなことはありませんよ。私は一人で行くよりも、同行者のいた方が安心できるからとやり取りしていて、思わぬ話が飛び出した。

 彼女の属する山の会の人で、山へ出かけたまま行方知らずになっている方がいるという。どこへ行くのか誰にも言わず、書きつけも残さずに出ていき、それっきりで帰ってこない。何年前のことか、一人暮らしなのかそうでないのかなどは聴かなかったが、彼女は単独行に警戒する私に同調したのだと思った。

 もう一つの話しは、もっと切実で、同時に考えさせられた。やはり彼女の山の会の方で、クマを蹴飛ばして撃退した女性としてよく知られた方らしい。その方が奥日光へ出かけ、「道に迷った」と同じ山の会の方に電話をしてきたのち連絡が途絶え、(翌日?)中禅寺湖に浮かんでいるのが発見されたというのだ。

 はて、迷って中禅寺湖に落ちるとこってそんなにはない。黒檜岳と社山のあいだの笹原は霧が張ると迷うことになる。だが中禅寺湖に落ちるほど迷うのは、よほど道なき道を歩かねばならない。そう考えて、一つ思い出した。彼女の属する山の会は、藪漕ぎを厭わないで、地図を読みながら歩く探検的なルート開拓もしている方がいる。また、地理院地図にないルートやすでに廃道になっているルートを再開拓するようなチャレンジをしているグループである。むろん、いろんな方が属しているから、ずいぶん幅広い活動をしているのだが、その山の会の発行していた「機関紙」では冒険的な山行記録がよく載っていたのが記憶に残る。

 そうか。そういう雰囲気のグループに属していて、しかもクマを蹴飛ばした冒険譚がついて廻っている女性だ。ひょっとすると、道なき道を中禅寺湖へ下って行けばいいと突き進んだ結果、笹原に足を滑らせて滑落したのかとも思う。

 いや、勝手に思いめぐらしたわけではない。じつは私の単独行も、ときどき道なきルートへ踏み込むことをしているからだ。もちろんスマホのGPSが現在地をいつも明示してくれているから、どちらへいけばいいかを、足元の傾斜や手掛かりや足掛かりを見極めながらすすむのだが、いつなんどき、滑落しないとも限らない。そう考えて、10mのザイルとやはり5mほどのテープと何枚かのカラビナをザックに入れて行くようにしている。それでも、ここで遭難したら、ヘリコプターは役に立たないし、GPSがなければ位置を確かめるのも困るだろうなと思う地点が、結構ある。背の高い笹藪に転落すると見つけることはできない。

 単独行をするときは、遭難救助が動けるような山行計画をたてる必要があるのかもしれない。いまは、山に入る都度、行程表をプリントして、家に置いておく。一日帰らなければ「捜索願」を警察か消防に出してくれと言いおいて出かけている。

 それでも、動けなくなって所在知れずとなったり、滑落して水死したりするってことも、ありうるわけだ。同行者がいてくれた方が、何と言っても有り難い。

 くわばら、くわばら。それとも、覚悟を決めなさいってことか。

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