昨日(8/18)秋が瀬公園を歩いた。ちょうどカミサンがサクラソウ自生地で植物案内をする予定があり、そこへ車で送っておいて、わたしは散歩をしようということ。サクラソウ自生地は、昨日までの雨で水がたまっているんじゃないかと思っていたが、そうでもなく、萱が入口通路を塞ぐようにぼうぼうと生い茂っている。見て回るには、かき分けて進まなければならない。先月半ばにもここに来て歩いたが、わずかひと月で、これだけの勢いをもつなんて、まるでコロナウィルスみたいだと思った。
子どもの森公園の駐車場に車を止める。いつもなら何台も止まっているのに、わずか2台。木陰に止めてある。並べて止め、歩き始める。9時。人はいない。蝉の声が騒がしく、鳥の声は聞こえない。双眼鏡を車に忘れてきたなと思い、ま、カメラと水はもっているから、今日はしっかり歩くのでいいかと、とろとろと森の木陰に踏み込む。昨日までの雨、今日の高い気温に、虫が出るかと思って長袖を着てきたが、それほどつきまとわない。30分も歩いてふと重い首に手をやる。双眼鏡をかけている。おや、ぼけが来たかと、外へ向かっていた感触の目が内向きになる。
先を歩く年寄りの姿が見える。マスクをする。すぐに追いつくと思ったのに、間が縮まらない。ここ一週間ほどの雨でたっぷり水を吸った道から湿気が上がってくる。風がなければ、ぐっしょりするところだが、結構風が強い。深い森を吹き抜けて、さわさわと心地よい。木立の向こうにテニスコートが見える。まだ若いというか、アラフォーの壮年期の人たち。平日お休みの職場の同僚というところか。小さい青蛙が道を横切っている。見事に鮮やかな緑っぽい青色だ。しゃがみ込んで見るが、逃げる気配がない。
浦和レッズの練習地に出る。右の方でボールを蹴っているのはレッズ・レディーズか、左の方で動きが激しいのは若手の育成組のようだ。浦和レッズは、長年の間、キッズから育成している。それが学校のサッカー熱にも伝わって、地域の伝統的なお家芸になっている。熱烈なファンも多い。その熱烈さがわたしにはよく理解できないのだが、レッズを応援しているわたしが好き! という風な雰囲気があって、勝っても負けても浦和レッズ。そういうところは、阪神ファンと共通する心情なのかもしれない。今年の阪神ファンは、4月からずうっと、無論ご機嫌。
ピクニックの森へ至る野球場もサッカー場も、人気はない。湿っぽい森は、たっぷりの水を浴びて青々と元気がいい。向こうでデジカメを構えて葉っぱを覗いているアラカンの男がいる。近づくと、ぱっと何かが飛び立つ。ヤンマだ。
「ヤンマですか」と声をかける。
と、振り返って「ギンヤンマです」と笑顔が返ってきた。木々の緑に浸って、細かく「盛夏」を探している人もいるってことだ。
おや? 雨が落ちてきた。木陰を歩いているから、さほど気にならない。でもすぐに止み、日差しが戻ってきた。見上げると青空も見える。お天気雨だ。
いつも鳥観のカメラマンが集まっている地点にも、人一人いない。この蒸し暑さに出歩いては熱中症に見舞われると気遣っているのかもしれない。バーベキューの釜にブルーシートをかけた広場には、テーブル付きのベンチに腰掛けた年寄りが二人いた。本でも読んでいるのだろうか。なかなかおしゃれだ。
時計を見ると大体1時間歩いている。少し疲れてきた。車に向かう最短距離をとる。ヘリコプターがばりばりと激しい音を立てて、西側の河川敷で何か演習をしているようだ。10メートルくらいの高さにホバリングをして、ザイルを下ろしている。と、上へ何かをつり上げ、少し北の方へ飛び上がり、また舞い戻って同じ高さを維持している。それとも、土手修復の作業をしているのだろうか。
木立の日陰をたどるようにして駐車場に戻る。3台ほど車が増えている。気温は31度。窓を全開にしてクーラーを止めて家に向かう。1時間20分、9000歩ちょっとの歩行。風に助けられた散歩だった。
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