2021年8月9日月曜日

奇妙な電話

  このところの雨は、何だ。台風は去ったのに、その後を追って、第一陣、第二陣と夏雨前線が後から後へと押しかけてくる。九州に上陸して四国中国を縦断する台風9号が、長い東の腕を伸ばして関東地方に雨を降らすというのなら、わからないでもないが、まだ、直接それは関係ない。異常気象というから、何から何まで異常だと思えば、この雨は何だと訝しがるのもオカシイか。

 12日から奥日光へ昔の友人のお誘いで遊びに行く予定がある。はじめ12日は晴れであったのに、雨に変わった。しかし降水量はゼロだからと高をくくっていたら、降水量も3mmとか5mmと増えている。13日となると、降水量が13mmと、大雨に近い。新型コロナは感染爆発、異常気象も爆発。年寄りはおとなしく「自宅蟄居」しなさいとお天道様もいっているのだろうか。

 先ほどヘンな電話があった。我が家の給湯器の6年目の無料点検に伺いたい、という。リンナイと名乗った。室外からの点検ですのでというが、給湯器はベランダにある。外からは見えやしない。いないと困るだろうというと、いてほしいという。いついつの何時から何時の間に伺う、作業員の名は○○ともいう。了解した。ふと、うちの給湯器はもう15年以上にもなるのに、6年目って何だ? と思った。

 古い給湯器の取扱説明書を見ると、故障して修理してもらった作業内容と請求書と領収書が挟んであった。みると2015年に故障して、部品を一つ取り替えている。そうか、6年経ったかと作業者の部分を読むと、東京ガスのサポート事業所となっている。東京ガスは別途契約して後の点検をするかどうか迷った覚えがある。では、どうしてリンナイが、いまごろ、と思った。そうか、東京ガスがリンナイの機器を取り付けたのかと、ベランダの給湯器を見に行った。松下電機製作所となっている。リンナイじゃない。

  東京ガスのサポート事業所に電話をした。電話口に出た係のひとは、こちらの名前と住所を聞いて、2003年に新製品に取り替え。2015年に一部部品の取り替え工事をしていると、我が家のチェック記録を確かめる。と同時に、パナソニックの製品だともいう。そうして、他社製品なのにリンナイが補修チェックをすることはあり得ないが、念のため、リンナイの顧客センターに問い合わせることをおすすめすると、電話番号を教えてくれた。

 そちらへ電話をする。そういう案内電話はしてないと応じる。東京ガスの依頼でリンナイ製品を取り付けたときは、10年目点検などで伺うことはあるが、他社製品の点検をすることはないときっぱりと返答する。もしご心配なら警察へ電話をして相談してくれと、ご親切に付け加えた。

 気持ちが悪い。我が家の電話はNTTの昔の電話帳を見れば出ていようから、詐欺にせよ留守宅狙いにせよ、在宅強盗にしても、電話をしてくることは容易なことだ。じゃあひとつ、駅前交番に電話をして話だけしておこう。

 電話帳を調べて駅前交番へ電話する。おまわりさんが話を聞き、似たような事件があるかどうか調べて折り返すという。しばらくして電話があった。この管内に、事件はない。ただリンナイのホームページには、「リンナイを騙って給湯器の点検に入り、ここが故障しているから修理が必要と工事を持ちかける詐欺事件が起こっているのでご注意を」という警告があったと教えてくれた。

 そうか、わかった。ありがとう。奇妙な電話ということにしておこう。予告通りに作業の人がやってきたら、他社製品のチェックもするのかといい、リンナイではそのような作業通知はしていないといっていたと告げて門前で帰ってもらおう。

 そう交番のおまわりさんには返答した。騙されたふりをして捕まえるってこともありですよと、おまわりさんは笑い声で話す。でもなあ、こちらはそれほど捕まえたいわけでもない。出来心が、冷や水をかけられて引っ込めば、それも悪くないかなと思っている。

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