TVのニュースで国会論議のやりとりが流れている。野党が「マイナンバーカードで、2兆円も必要って、どこかそんなことをやっている国でもあるのか」と追求している。首相が「デジタル化を進めるためには必須のこと」と、官僚の下書きを読み上げるように応えている。バカだなあ、この人も、スガ宰相と同じようになっちゃってる。岸田首相の良いところは、政策発表をして後に世論の反応を探り、躊躇なく提案政策を翻して修正するってところにあると思ってきた。聞く力っていうよりも、どうしたら良いかわからないことに気づいている感触が、私たち庶民大衆の胸中に見合っていると思うからだ。官僚答弁を繰り返すのなら、ただの辻褄合わせ。
そう思っていたところへ、本ブログ「2020-12-13、進む技術、遅々たる社会的手順」の記事が送られてきた。読んでみて、30年後の今も、同じことを考えている自分に気づく。この国の統治センスは、どうなっているんだろう。お役所のデジタルセンスが整っていないのに、統治手続きをデジタル化して、「情報処理」ができなくなってあたふたしているのが、今のお役所じゃないか。統治される国民の方の「情報処理」の速度が速くなっているのに、それを集約して始末する方のお役所の処理速度が滞留するようになって、医療を受けることができず、自宅待機といって放置されてきたのが、コロナウィルスの第五波ではなかったか。
地方行政の滞留は、地方自治が整っていないからと言うのであれば、中央政府はそれを解決するために何をしなければならないか提起するべきじゃないか。国民にマイナンバーカードを持たせることが行政のスピード化を図ることになるのであれば、国民が喜んでカードの作成をする翼賛を待たずに、カードを作成しなければならないような政策を提起すれば良い。税務をカード経由で一括処理するとやって、それを集約できるように行政命令を決議すれば済むことなのに、それができない。なぜ? 与党の政治家たちが、まず反対するからだ。大企業がさらに反対勢力に加わる。産業界の大投資家たちがそれに翼賛する。つまり、自分自身の統治ができていないのに、デジタル化などというから、こんな憂き目に遭う。アメリカのゴアが副大統領時代にやったネットワークの整備と社会保障番号を、行政的収支のネットワークに整えた方法を調べれば、どうやったら良いかは一目瞭然。あるいは、韓国の整備経緯に範をとっても良い。
30年前は小さな高等学校の片隅で行ったことだが、未だにお役所がその段階にとどまっているなんて、「失われた○十年」というのは、こういうことを言うんだね。
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