一昨日(10/4)の朝、TVをつけていたら、地デジもBSも全部、同じ放送に変わった。伊豆七島や北海道は警戒して下さい、という。後にそれは、青森に変わり、更に青森と北海道への警戒警報となった。「頑丈な建物か地下に非難して下さい」というから、まるで空襲のようだ。北朝鮮が長距離ミサイルを発射したのでJアラートが発令されたという。
そう言えば以前にも、同じようなことがあった。調べてみたら、2017年8月29日、白馬岳へ登ろうと大宮から長野新幹線に乗ろうとしたとき。列車が軒並み遅れていた。とりあえず早く来たのに乗って長野駅で降り、バス待ちをしていたときに事情を知った。この時も北朝鮮のミサイル発射であった。
この唐突感は、なんだろう。
(1)北朝鮮がミサイルを発射したが何処に落下するかわからないというのであれば、そのように発表すればいい。それを、ただ警戒警報として発表するというのは、北朝鮮がいつ攻撃してくるかわからないという不審感を抱かせる。かつて北朝鮮が朝鮮戦争を仕掛けた「実績」もあるから、唐突にそういうことがありうるということは理解しないでもない。だが、北朝鮮と日本の関係がそのように緊迫しているという事前報道はない。
(2)ウクライナの例があるから、ひょっとしたらと思わないでもない。まして「青森」と警戒地域が指定発表されると、すわ三沢基地かと攻撃目標を想定してしまう。アメリカの「象の檻」と呼ばれる姉沼通信所が、北朝鮮や中国の電波監視をしていると言われてきたからだ。でもウクライナでも事前にアメリカが提供する「ロシアが攻撃してくるよ」という警告を随分前に受けている。日本国民が、日本政府から一切そういう情報提供を受けないで、突然「警戒警報」を出すというのは、一体どういうワケか。
(3)メディアが一斉にJアラート一色に染められたのは驚きであった。「国葬」報道に同調しなかったテレビ東京も右に同じであったから、総務省か何処かがそのように働きかけたのであろうか、それとも、同調の不調が相変わらず報道各局の首脳部を覆っているのだろうか。
(4)しかも(1)に述べた「いつ何処に落下するかわからない」と北朝鮮のミサイル技術に言い及ぶものはない。日本の上空を飛ぶというだけで「警戒警報」を発していると、それこそオオカミ少年になってしまう。北朝鮮は危ない国という刷り込みをしようというのだろうか。もしそうだとすると、日本の防衛関係当局者の対外認識はほとんどゲームのようなものであって、ただ単に国民向けに危ういと言うだけでなく、対外的にもちょっと危ない関係認識の仕方だと言わざるを得ない。
(5)つまり国民を、共に防衛モンダイを考えていく相手とみていない。政府のアラームに反応して警戒態勢に入ってくれれば、それで十分と思っている。これでは、中国の国民に対する強権的統治と異ならない。日本国民は、そうでなくても、政府の提示に対してわりと素直に身の動きを合わせていく従順性をもっている。だが、いつでもそうであるかというと、そうはいかない。不審が溜まっていくと、思わぬところで爆発する。それは日頃の政治家の振る舞いや言説、政府の施策とその適否が、つねに繰り返し、為政者との「信頼」の再確認をしているのだ。だからあまりにも、国民をないがしろにした振る舞いや言説をしていると、いい加減にしろよと剣突を食らうことになる。
重要なことは、対外的な事柄にしても、国民に対する敬意を欠いた施策を粗雑に行っていると、おおきな墓穴を掘ることに繋がると肝に銘じよということだ。この国民に対する敬意を欠く態度が、この所の国会でも横行している。
流言飛語だが、旧統一境界問題の追及にうんざりしている政府与党の人たちが、北朝鮮の長距離ミサイル発射の非道性に目を逸らそうとしたんじゃないかと言われている。防衛族と一緒に国民も騒いでよと言っているって分けだ。なんとお粗末な。でも何となくこんな粗末な流言飛語が大真面目で流通している日本の政治状況を、本当に危ないと思っているのである。
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