2020年5月2日土曜日

真夏日の陽ざしの中、荒川河川敷を回遊する


 「外出自粛」が呼び掛けられてから、余計に出歩くようになった。
 それまでは週に一回、山へ出かけていれば、健康保持には十分とでもいう「心裡の言い訳」があったからだろう。となると、「3蜜」を避けて車でアプローチすればいいんじゃないかと考え、4/7に奥多摩の市道山と臼杵山へいってきた。
 その日の夕方に、政府から「緊急事態宣言」が出され、「外出自粛」となった。だが、東京都知事はまるで選挙戦が始まったかのように、日々記者会見をし、政府とも齟齬を隠さず、「キーワード」を交えて状況を説明しているから、都県境を越境するのはやめた方がいいかと考えていた。
 埼玉県知事はまるで声を上げない。ひょっとするとメディアがとりあげないのかと思ったが、そうでもないらしい。ま、それはさておこう。
 ところがそうこうするうちに、「山岳四団体」までが、山へ行くのを控えようと呼びかけたと知った。えっ、山は3蜜じゃないじゃんと思う。4/7にしても、誰にも会わなかった。
 だが、皆さんが都会の蜜と喧騒を逃れて山野に行くとしたら、そちらが密になるじゃんと言われたり、遭難事故があっても、今、山岳救助に向かう余裕がないと救助隊の事情を持ち出されると、それを押し切るほどのコトでもない。
 まあ、それくらいの我慢は年寄りなのだからしなきゃあねと、散歩程度の外出にとどめている。

 
 今日(5/2)は、荒川の河川敷を徘徊してきた。いつもの秋ヶ瀬公園の森ではなく、それよりも上流の大久保浄水場のあたりで、シギチドリの類をみようと考えたわけ。もちろん、河川敷にある運動公園の駐車場はシャットダウンされていると考えていた。その近くの土手脇にでも止めてと思っていたが、なんと、土手の登り口から「車両通行止め」のテープが張られている。やむなく手前の車道に止める。「駐車禁止」の表示がないことを確かめておいた。
 土手に上がって「車両通行禁止」のわけが分かった。運動公園というよりも、そこを含む河川敷一帯の改修工事をしているのだ。何を改修しているのかは、じつはわからない。ユンボが何台か動いている。でもその向こうの田んぼには水が張られ、代掻きが行われていたり、田植えをしていたり、すでに田植えが終わっている田圃も、何枚もある。シギチドリがいるというのは、この田圃なのだが、国土交通省主管の工事が騒がしく、これじゃあ鳥は立ち寄るまいと思えた。
 でも、キガシラシトドという珍鳥がいたという鳥情報もあって、やってきた。昔私が仕事をしていたころに、この荒川河川敷はよく訪れた。鳥を観るためではなく、ジョギングクラブのトレーニング場だったからだ。あるいは、年一回のマラソン大会の10キロコースをとったのも、この荒川の治水橋(じすいばし)と羽倉橋を回遊するコースであった。ここの運動公園を借りて、大球技大会を催したこともあったなあと、歩きながら思い出していた。
 河の流れとの間には大きなゴルフ場があって、優雅にゴルフを楽しんでいるひとたちもいる。東松山の森林公園へ至る50キロにわたる自転車のコースも設えられていて、結構な人たちが気持ちよさそうにレース車輛で走り回っている。そうか、今日は土曜日であったか。というよりも、大型連休であった。「外出自粛」とは別に人が野外に出てくるときだ。
 
 鳥は、観るほどのものはなかった。オオヨシキリとヒバリとムクドリがずいぶんたくさん声をたて、姿をみせて飛び交ってはしゃいでいた。おおよそ3時間ほど歩き、車に戻ると、冷房しなくちゃならないほど室内は熱がこもっていた。ふと外気温のボタンを押すと、「31℃」の表示。真夏日になったと思った。風もそこそこあって、それほどの暑さとは思わなかった。

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