2020年5月31日日曜日

六日の菖蒲十日の菊


「緊急事態宣言」の解除になったあとの金曜日、「ビールパーティをやろう」という呼びかけでご近所のたけのこ公園に集まって、3カ月ぶりのおしゃべりに興じた。年寄りばかり。銘々が飲み物とお弁当を持ち寄り、3時間ばかりを過ごした。通船堀の竹林脇に設けられたたけのこ公園は、訪れる人も少なく、東屋があり中央の支柱を丸く取り囲むようにコンクリートのテーブルと固定椅子が設えられている。
 2月までは毎週一回のストレッチ体操で顔を合わせていたが、その後は無沙汰していた。久々の顔合わせ。コロナにまつわる世間話に花が咲いた。集まってもののうち、「定額給付金」を受け取っていたのは一人だけ。「使わなくちゃあ、経済の活性化に役立たないからね」と、テレビのモニターを大きくするとか、スマホの旧機種を新しくするなどとお気楽に弾む。と同時に、この先どうなるんだろうと、新型コロナウィルスという大自然に向き合うジンルイの心もちを示すようにも広がる。
 持ち込んだ缶ビール1本とワイン2本を私は空けて、どうやって帰宅したかもよく覚えていない体であった。

 
 そして帰宅してみると、「定額給付金」の通知が届いていた。役所に持参して振り込んでもらうのかと思っていたら、そうではなかった。「通知用紙」に書き込み、「証拠種類」のコピーを添付して送り返し、その口座に振り込まれるのだそうだ。これで世帯主8000万人のやりとりをすると、通信料金だけで130億円超かかるんじゃないかと、よけいな計算をしてしまう。
 必要なところは全て印字されている。署名と電話番号と振込口座番号を記入するだけだから、何でこんなに手間取っているのか、わからない。だが投函しても、土日だから、役所に届いて振込手続きをしてもらっても、6月になってしまう。
 まさに、六日の菖蒲、十日の菊だねと、カミサンと笑う。
 えっ、菊はまだ気配もないよと、カミサンは言う。そうそう、アベノマスクというやつは音沙汰もない。ま、棚ぼたを待っているほどの期待感もないからどうでもいいのだが、「全国民に配布」というのが届かないとムッとしてしまうってのも、まったく凡俗だよねと自分を嗤う。

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