2020年5月28日木曜日
「特別定額給付金」の「寄付」を予算化すること
兵庫県加西市が、新型コロナウィルス感染にともなう「特別定額給付金」10万円の市職員分6000万円を「寄付」してもらうとして、議会で可決したことについて。
加西市長は「圧力と感じている職員はいない」と記者会見で述べているが、どうかしてるんじゃないか? 「皆さん、賛同してくれている」とも。
おまえさんがいうことではないだろうと、思わずTVの画面に毒づいてしまった。
中国縦貫道に沿う、兵庫県の西寄りの町。加古川市の北にある加西市は、人口が4万5千人ほどの都市。かつて三洋電機のお膝元として繁栄した。
「寄付」を予算書に盛り込み、議会で可決するってのも、変だ。市町としては、苦肉の策のつもりなんだろうが、これじゃあまるで、北朝鮮だ。
これを取り上げたTV番組は、「寄付が匿名とかなら・・・」とこざかしいことを言っているが、それも違うだろうと思う。加西市が財源に困っていることだけは伝わってくる。小さな地方工業都市だ。といっても製造業よりも第三次産業が多く、今回のコロナウィルス操業自粛があったとすれば、困惑したに違いない。といって、公務員の給与の削減に切り込むには、壁が厚い。ならば、今回の「特別定額給付金」という棚ぼたをそっくり頂戴してはどうかと、「名案」を思い付いたというところか。たしかに、公務員は今回の「緊急事態宣言」の自粛要請による損害を受けてはいない。だからそっくり寄付してもらっても、ご本人の懐は痛まないじゃないかと考えたにちがない。
でも、支給は「全国民に」だから、政府がとった税金を変換していると考えると、給与の被害があったかどうかは関係ない。もし損害の応じて支給するというのなら、そういう名目にしてくれよと、受け取るご当人は思うに違いないし、その方が筋が通っている。
何がモンダイなのか。加西市の市長が、本来国に要求するべき財源を、一番取りやすい足元の市職員に求めたことが、いけない。「寄付」という社会慣習がない日本だから、議会で議決してというのも、とんでもない見当違い。必要な財源を提示して、正々堂々と国に請求する。むろんそれが適えるとは思えないが、そののちに、かくかくしかじかに用いる財源がないので、ぜひとも「特別定額給付金」の一部でも「ご寄付願えませんか」と、市民全体に呼び掛ける。その方がよっぽど、市民の共同性をはかるうえでも、効果を発揮すると思う。たとえ寄付が集まらなくても、その「寄付」によって「補償を受けるべき」産業の人たちは、何とか頑張ってやっていこうと思う。実際の金もそうだが、それ以上に、そういう心意気があるだけで、何とか持ち堪えようという気持ちが、湧き起るものだ。
政府は「第二次補正予算」をまとめた。それによると、「予備費」が10兆年もあるというではないか。加西市長よ、もっと政府に然るべく財源をよこせと、「お願い」するのではなく要求する姿を、加西市民に見せた方がいいのではありませんか。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿