昨日(9/25)、36会seminarを開催しました。前回に続き、新橋の「ももてなし家」が快く会場を引き受けてくださり、ワクチン2回接種者のひとつの「社会実験」として「会食」まで行うことができました。そのせいでコロナ感染が発生するかどうかは,まだしばらく様子を見なければなりませんが、まもなく傘寿に手が届こうという高齢者の集まりとしては、行き帰りの交通機関も含めて、参考にできようかと考えています。
さて、7月のseminarより参加者が3人減りました。一人は別の予定と重なったからでしたが、あとの二人は、急遽入院したご亭主とそのお内儀でした。「行き交う同窓生の十字路」と『うちらぁの人生 わいらぁの時代』(2020年刊行、p4)に記された新橋のお店の経営者ご夫妻。「36会」の名付けの親であり、「seminar」の言い出しっぺです。
9月3日、ミスズさんからこんなメールが入りました(以下、カタカナ人名は仮名です)。
《今ミコちゃんから電話がありました。マンちゃんが、肺に膿が溜まり、S病院に入院したそうです。16日に、胃癌の初期で入院が決まっていましたが、今朝突然身体が動かなくなり、診てもらったらしいです。コロナ騒動で、家族も会えないみたいです。》
マンちゃんは長年糖尿を煩っていましたが、一病息災の「低空飛行」。「いつ墜落するか、わからんけえの」と冗談を口にしていました。79歳の今日までご夫婦で店を守って働いてきました。いやじつは、仕事を辞める機会を逸して、ずるずると来てしまった事情がありました。私は60歳の定年で仕事を辞め、気ままな暮らしで、ときどきマンちゃんと顔を合わせては、おしゃべりをしていました。お店が入っているビルが近々建て替えになるから、それを機に店をたたむと言っていたのです。ところがビル建て替えの話が突如宙に浮いてストップしてしまいました。
どうして?
東京五輪です。それが2013年の9月に決まり、いきなり東京は建設ラッシュになりました。この国の建設業者も政治家たちも、ハコ物が得意中の得意。何に使うか、どう使うかよりも、まずは建ててしまえ、後は野となれ山となれってワケで、糊口を凌いできたのです。この建設業界のバブルのあおりを受けて、お店の入っているビルの建て替え話は五輪後に持ち越されました。悪いことにコロナウィルスの襲来があり、五輪は延期、立て替え話はさらに持ち越されて、さて五輪が終わったこれから再始動というところでした。
考えてみると、彼ら夫婦の仕事納めの話が8年延長されてしまったわけです。東京五輪さえなければ、71歳で仕事を納める段取りであったのが、79歳まで延長になりました。思えばよく頑張ったものです。
ミコちゃんに電話を掛けますが、なかなかつながりません。ミスズさんにその後の様子をうかがうと、次のようなメールが来ました。
《マンちゃんの病名は膿胸です。重症の時は、外科的手術ですが、初期だと思います。呼吸器内科に入院しています。管で膿を吸いとり、薬治療していくのだと思います。ミコちゃんの方は、今日から店に出ている筈です。姪御さんに手伝ってもらいながら頑張るそうです。夜固定電話に掛ければ繋がります。ただし足が不自由なので、長く長く受話器を取り上げるまでかかります。気長に待っていてあげて下さい。》
ミコちゃんに電話をしました。彼女はマンちゃんの入院に驚天動地、面会もかなわないとあって、ますます気落ちしていました。コロナがもたらした「分断」です。マンちゃんの入院先が彼らの息子さんのマンションから見えるところとあって、息子さんが病院とのやりとりを引き受けているようです。
つい3日前、ミコちゃんから電話があり、seminarに顔を出すと元気そうな声が聞こえました。マンちゃんの退院が10月1日になるとも話していました。良かったねえ。皆さんへのマンちゃんの病状報告をしてくださいねとお願いして、seminar当日を迎えたわけでした。
ところが、ミコちゃんは現れません。ミコちゃんを気遣って訪ねて行っていたMs.Greenさんからメールが入っていたのを見忘れていました。Ms.Greenがやってきて、話してくれたのは、マンちゃんの病状はまだ見通せないということ。それを知ったミコちゃんはすっかり気落ちして、seminarに顔出しできないという話でした。
そうだよね。何十年も連れ添っていれば、それも四六時中店番をして一緒に過ごしていれば、ほぼ一心同体。連れ合いが弱れば、気持ちも落ち込むわなあと思いました。
そういうわけで、seminarのお話はまた後ほどになりますが、コロナ禍ワクチン接種2回済み高齢者の集会という「社会実験」がはじまったのでした。できれば「アルコール付きの会食実験」にしたかったのですが、お店の方がかっちりと規制を守っていて、提供してくれませんでした。果たして、次の「解除」の時に「アルコール規制」も解除になるかどうか。その「実験」は次回ご期待くださいってことになりました。
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