2022年2月27日日曜日

回復力

 暖かくなってきた所為でしょうか、身体が軽くなっています。何より昨年4月の事故以来のリハビリが効いてきて、今月初めから通院が週一回になっています。(常連客の)私担当のリハビリ士も固定して、遣り取りしてから、微妙な変化を指先で探るのか、勘所をきっちりと押さえて、あっ、そこそこ、と声を上げたいくらいです。人のからだって、精細につながっているのだと感じるし、それを、外から押さえて探り当てるという精妙さにも感嘆します。マッサージというと、撫で摩るだけかと思っていましたが、そうじゃないのですね。でも、血流を良くしているのだろうか、それとも体液の流れとか神経の通流とかに作用しているのだろうか。身の内部で何が起こっているのか、何を起こしているのかわかりませんが、患者としては、結果良ければすべて良しです。

 身が軽くなると、長く放っておいたコトを、やっぱり仕上げようという思いが、緩やかに湧き起こってきました。他でもない、2012年から続けてきた山の会の山行記録をまとめることです。

 4月の事故当時既に8年分をひとまとめにして、自分で編輯デザインして、印刷製本だけをして貰おうかと考え、そういうことをしてくれるかと知り合いの出版社に相談していました。無論、快く諒解して、いろいろとアドバイスも貰える話が進んでいました。

 ところが2020年の1月末から突如現れた新型コロナウィルス禍。山歩きそのものが大きく制限され、4月からはしばらく休止状態になってしまった。公共交通機関を使わなければいいのだと気づいてから、車にテントを積んで行くことにしたり、登山口近くの鉄道駅まで来る人と合流して歩いたりして山行が再開した。そうなるとほとんど私の週1の山行トレーニングと重なってしまって、毎週私が行こうと思う山を案内し、声を上げた人とどこかで合流して一緒に行くという形になったわけです。

 いま思うと、それが、私の山行気分を昂進して、だいぶ無茶な歩き方を楽しむようになっていったのだと、反省も交えず解析しています。

 ともあれ、山行記録の方は、コロナになってからも綴っていますから、8年分が9年分になり、降る年だけを数えれば、もう間もなく十年になります。事故以来、身が思うようにならず、本にすることも忘れていました。思い出すことができるようになっても、果たして本にするってどういうことなのかと、余計なコトへ考えが進んでしまう。ますますやる気が削がれる。そうして、もういいやという気分で放りっぱなしにして年を越した次第。

 ところが2月になり、リハビリも週1回でいいとなってから、山行記録をまとめる気分が甦ってきました。無沙汰していた出版社に話を持ちかけると、そちらも少し様変わりしていて、紙媒体ではないが、本にしたものをネットで販売する事業に乗り出していて、私の本もそういうコンテンツの一つとして使わせてもらえればと、話が付け加わってきました。それはまたプランバシーの保護のこともあるから、そうすると書き方も若干変えなければなりません。それは相談しながらということにしたら気分が楽になったわけです。

 こうして、再び「素原稿」を読み直しながら、本にする準備を再開しています。先に何かを置いておかないと日々を過ごしていけないというのも、困った私の習性ですが、でもそれが私の回復力の証しだとすると、それはそれで大切にしなくてはなりませんね。

 今日は花粉が飛び交うほど温かくなるという。荒川沿いの彩湖にでも行って歩いてみようかな。

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