一年前のブログ記事「無症状の異常」は、わが身のステルス病の記録である。
ホルターを入れてからもう1年経ったのか。痛みが出るようなら来てくださいとは言われず、特に問題はありませんねといわれたのだったか。その後4月に遭難事故があって、心臓以外の痛みの心配をして過ごしたので、忘れていた。心臓の痛みと言えば、つい先週であったか、歩いている途中で、左胸の心臓の中央部辺りに一本針が通っているような「感触」が生じ、「こういうのを心臓が痛むというのだろうか」と思ったことがあった。つまりほぼ一年間、ステルス病は姿を隠したままであったということになる。PPKというのは、こういうことなのかも知れない。
4月以来、山らしい山を歩いていない。何時測っても概ね40代であった脈拍も50代の後半。40代の数値が出ることはなくなった。つまり体も平地仕様に変わってしまっている。病もそれに伴って現れ方を変えているのかも知れない。ま、文字通り市井の老人になったのだね。そうなると、山ではなく平地を歩いて旅をするってことを、夢想している。
最初に思いついたのは、四国のお遍路さん。18番目くらいまでだったかを、18年程前に歩いたことがあった。そこで中断。以来、山歩きが多くなってすっかり遠ざかっている。その頃の心境とはずいぶん違っている。ゆっくり、味わいながら歩けるような気がする。3月から4月にかけての時期が最良だが、このコロナウィルス。まだしばらくは、足止めを食らう。
ま、オーバーコロナになったら、八十八カ所、1200kmをゆっくりふた月程かけて歩こうと思うと、そのためにも平地歩きの足腰を鍛えておかねばならない。これはこれで、市井の老人の内発的なモメントになる。そうやってともかく体だけでも、自律できるように保とうと意欲が湧く。これもまた、市井の老人の感懐だなあと、「老人」という無症状の異常を受け容れている。
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