このところ快晴が続く。思えば関東地方の冬は、乾季。朝9時にはブログ記事を書き上げたので、散歩に出ることにした。どこへ行こうか。見沼田圃の自然公園まで行って、帰り道はそのときの調子で考えて良かろうか。
家を出てから、そうだ、お昼を家で摂るなら2時間半の散歩だが、自然公園まで行くと弁当を持たなくちゃならないなと思う。駅近く、見沼田圃入口傍のEAONスーパーへ立ち寄る。飲むヨーグルトとあんパンを買う。お茶は持ってきているから、これで万全。
日曜日とあって大間木公園のグランドの野球場はソフトボールの練習をする年寄りチーム、社会人チームは試合をしている。よたよたと走っているのは60代後半かな。同じ年齢にしては捕球も送球もぴちっとキリのいい身のこなしをしている人もいる。ノックをしている人は、なかなかうまい。捕球したボールを受けとるキャッチャー役、そのボールを受けとってノッカーに渡す人、ちゃんと分業ができていて、チームの重ねてきた年を伺わせる。試合をしているのは、その反対側のフィールド。ピッチャーはぐるぐると体の横で手を振り回してから投球するから、ソフトボールの熟練者。結構球も速い。打つ方も野手の後ろの方まで飛ばす。内野ゴロは上手に一塁手に送球している。どちらのチームも、若い人から高齢者までいる。町内会だろうか。どこかの会社のームの対抗戦だろうか。
いつものように調節池へ行ったのでは芸がない。今日は通船堀から東縁に抜け、それをたどって川口自然公園に向かう。公園の池では釣り糸を垂れている人がたくさんいる。幼児と低学年らしい子どもを連れた一家が、葦原の脇で何かを見つけ、姉が「おかあさん、すご~い」と声を上げる。小さな子を連れた父親がやってきて、葦の一本を手折る。カマキリの卵でもついているのか。小さな子に持たせ、母親がカメラのシャッターを切る。池脇の木立には木の名札が掛けてある。サクラやケヤキはすぐわかる。カツラ、シラカシ、イチョウ、ユリノキなどを木肌で区別できるようにみるが、すぐに忘れてしまう。
墓参りをしてきたのだろうか、妙宣寺から出てきた高校生くらいの女の子を含めた家族連れ四人が自転車で東縁沿いの道へ出て行った。浦和-越谷街道を渡り大崎清掃工場の焼却灰の処分地の脇を通って大崎公園の裏へ出る。この焼却灰処分地には、名前がついていない。2mの高さの金属の塀で囲っている。
広い畑ばかりの間を通っていると、後ろから来た軽トラが車道に出る手前の家の前で止まる。70代くらいの女のお年寄りが軽トラから大根を二本手に持って家へ入る。それが大きい。一本は1㍍以上もありそう。青々とした大根葉も大きくうまそう。大根の身の方もはち切れんばかりに張っている。門から出てきた。中から「ありがとう、いつも」と声が聞こえる。
「すごい大根ですね」
「大きくなりすぎてね、売り物にならんのよ」
「まずくなるんですか」
「そうじゃないのよ。大きくなるほど甘くなる。美味しい。でもね、出荷する箱に収まらないの。今年は天気が良くてね、大きくなり過ぎちゃった」
規格外の大きいのは、ご近所に配るか自家消費にするという。
東縁の更に東側の台地の樹木の養生を生業にしている畑の間を抜けて歩く。少し前まで木に一杯つけていた柿の実も大半が収穫され、いくつかが木に残されているだけになった。かわって夏みかんや柚がたわわに実っている。ここは静かな灌木と樹林の間をほとんど人に会わずに歩けるから、散歩道としては心地良い。この道を通って、100mほど先で北への道をとると、いつもの通りに出ると見当をつけて、初めての道へ踏み込む。迷ってもオモシロイ。できるだけ迷い道に踏み込むように心がけるが、もうほとんど迷うことはない。
2時間ちょっとで見沼自然公園についた。12時を少し回っている。ベンチに腰掛けてお昼にする。家族連れや年寄り夫婦がゆっくりと散歩している。ときどき強い風が吹く。天気が変わるのだろうか。向こうの芝地の広場には、テントを張って小さな子を遊ばせている。芝地に寝っ転がって本を読んでいる人もいる。陽が眩しいだろう。その脇には、凧揚げをしている父親の周りで二人の子どもがキャアキャアはしゃぎながら、揚がっているたこを取ろうと空に手を挙げ、飛び上がるように跳ねている。暖かい日差しが穏やかな日曜日の舞台を整えている。
今日は少し遠回りをして帰ろう。市立病院に近い方へ向かい、途中から案山子公園に寄って東縁沿いに帰る道を通ることにした。ここも初めてのルート。市立病院の建物は大きく、ランドマークになっている。芝川をどこかで渡らねばならないが、その橋が市立病院の傍にはあることは知っている。その手前にあるかどうかは知らない。でも知らない道を歩くのは、それだけで気持ちがいい。とっくに上着にしていた羽毛服はリュックに仕舞い込んでいる。
あった。車の向かう方向を見ると橋がある。ここで芝川を越えることができる。この橋を抜けると東縁に出る。まるで人気のないところをたどって案山子公園へ向かう双六のようだ。ドンピシャリ。何度も歩いたことのある東縁沿いのルートに乗った。
案山子公園は隅の方を通り抜けただけ、東縁沿いの歩道に乗る手前で、野菜を売る農家の出店が開かれていた。ずいぶんたくさんの品を並べている。日曜市だね、これは。ブロッコリーと泥つき葱を買いリュックに入れた。
そこから家まで1時間。2時20分頃に家に着いた。3万99歩、22.km。歩いている時間が4時間27分の散歩であった。
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